恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

ブログ更新しない夜は

ブログをきちんと更新しない夜は、
①仕事で疲れ果て、クスリきめて早々と眠りへと逃げ切った
②同時進行で本を読むくせが顕著にあらわれ、あっちをめくりこっちへ戻り、本の人になっている
③短歌つくり熱がアチアチでブログのことまで気が回らない
の、どれかです。

今夜の正解は、江戸雪さんの歌集『声を聞きたい』を読んでるので、②ですね。


【今日のうた】

一本の飛行機雲があらわれてそろそろ涙ながしてもいい

 江戸雪『声を聞きたい』

勝手に自滅しない

この前の短歌講座の宿題「氷」で悪戦苦闘したあたりから、ちょっと停滞しています。
うたの日は全然だしてません。
ミセのことなどを詠んだ連作のような何かを、思いついては散漫に20首くらい書きためているけど、あまり良くない感情がうずまいていて読み返すとつらくなる。

短歌をはじめた頃、「自分で才能が無いと思って止めてしまう人が多い」ということを読んだ。

毎日、Twitterを見れば優れたうたが流れてくるし、好きな歌人の歌集を読めば圧倒されて、わたしのようなヒヨコでも劣等感に身を焼かれる思いでいる。

わたしは明確に歌人を目指すわけではないし、勝手に自滅してやめてしまわないように、今はメンタル綱渡りながら慎重に身の丈に合った勢いでつづけたいと思う。


それにしても今日読んでいた小島ゆかりさんの歌集がとても良くて、やっぱり好き...と恋人への恋心を再認識した乙女のような気持ちになっている。よくネットで見かける「はぁ、好き...」はこういう時に使うフレーズなのでは?と思ってる。
こんなうたがつくりたいと憧れてるけど、今はとりあえず、それが出来ない自分は置いといて、うたを読むのがしあわせだから良し、としたい。


【今日のうた】

この先のことが怖くてとりあへずいい匂ひするパン屋に入る

 小島ゆかり『泥と青葉』

人見知り学部留年中

今回は名古屋泊しないで早起きして短歌の講座へ。

宿題の出来がなっとく出来なくて、はじまるギリギリまで前後入れ換えたり直しては戻して。

嫌(や)な客が脳から離れない今日はコメダに寄って氷にするか (宿題「氷」 森緑)

いやー、毎日ミセにはめんどくさい人が盛り盛りやってきますからね、意地悪でしつこいクレームもあるし、脳にベットリはりついて離れなくて。帰り道、大音量でマリリン・マンソン聴いても癒されないときもあるんですよ...。そんな時はコメダの氷(わたしは珈琲味、もちろんソフトクリーム乗ってる)で完全に脳をちがう方向に向かわせたいとおもうんだよ。


というのを31文字に込めました。

加藤治郎先生はヒヨコの短歌にもちゃんと良いところを見つけてほめてくださるのが有り難いです。あ、そう、で終わりじゃないですか?こんなささいな日常...。こんなのでいいのかな?って毎回どきどきするんですが。


あと、未公開短歌、こちらも作ってました。短歌のお兄さんに初めて会ったときのことを詠んでみた。
( 〃▽〃)キャー

鍋を振るひろい背中がまぶしくてうつむいたまま飲む氷水


ほかの講座受講者さんのうたの中にも好きなのがあったりして、詳しく話してみたいと思っても人見知りがひど過ぎて全然話しかけたりもできない。短歌のお兄さんにもいまだに緊張してうまく応答できないぐらい(自分、イケメン耐性ないからか?)。

自分の短歌に自信がまるで無いからかも。
あと、名古屋住みだった時ならフツウだったのに二年前に引っ越したことでアウェイ感があるのかも。

あーっ名古屋戻りたし!!!


【今日のうた】

犬と猫どちらが好きと問ふ人ありパンもごはんも好きなわたしに

 小島ゆかり『泥と青葉』

読書好きの男子ーー。

9/18 に、古本バーcesta にて(名古屋・覚王山2番出口出て雨にぬれる間もないくらいスグ)、読コンあーりーまーすー!わたしも行ーきーまーすーー!(かなり張り切っている)

男子まだ募集中みたいですので、読書好きな恋したい30歳越えの男子のみなさん、今すぐ下記リンクで読コンについて見てくださーい。

http://www.cesta.jp/dokushyokai.htm


いま読んでる『たとへば君 四十年の恋歌』(河野裕子永田和宏) の影響もあって、いますごく恋がしてみたい気分なので、俄然はりきっているわたくしと、お友達からよろしくおねがいしまするる。


【今日のうた】

夕闇の桜花の記憶と重なりてはじめて聴きし日の君が血のおと

 河野裕子『森のやうに獣のやうに』

はじめて買った『短歌研究』が激アツ

『短歌研究2016年9月号』をはじめて買った。

うちのミセみたいな本屋には、短歌の本は一冊も置いてないし、短歌の雑誌も入荷しない。そのため自分の分を1冊、客注として入れてもらうように早めに注文をしておくのです。で、どきどきしてたら発売日、ほかの雑誌にまじって入りました。

短歌のお兄さんこと、小坂井大輔さんがっ!短歌研究新人賞候補作に選ばれてて掲載されてます!おめでとうございます!

短歌のお兄さんは、孵化した短歌ヒヨコが最初に背中をピヨピヨついてった敬愛する先輩歌人で、いわばヒヨコにとって親鳥のような存在。独自の世界を圧倒的に表現される素晴らしい先輩なのに、こんなヒヨコが悩んでいたら親身になって救いの手を差しのべてくれるような、ほんとに素敵な短歌のお兄さんです。

ご本人のブログ更新を差し置いて、僭越ながら短歌ヒヨコが『短歌研究』から引用させていただきます。身近な本屋で『短歌研究』が手に入らない、たくさんの人たちにも読んでほしくて。


「スナック棺」 小坂井大輔

閉まらない雨戸とフォークダンスする母に合わせて鳴らす口笛

株券が紙切れになる阿阿阿阿と居間で小さな父がのた打つ

わたくしは三十五歳落ちこぼれ胴上げ経験未だ無しです

ラガーシャツ着た父の写真ながめてた 落ちたね 今、雷が何処かに

ちらちらと腕のタトゥーを見せてくる姉の彼氏の前歯の黄ばみ

容赦ないってこれだ。星だった、降ってきたのは拳ではなく

罵声 わけのわからん鉢植え わたしへと飛んでくるもの達の残像

あれ 声が 遅レテ 聞こえル 死ヌのかナ だれ この ラガーシャツ の男ハ

棺のなかはちょっとしたスナックでして一曲歌っていきなって、ママは

わたしのなかの進路指導の先生が死ぬなと往復ビンタしてくる

リーダーって感じの主婦の読経が綺麗だ団地に朝を塗りだす

無くなった。家も、出かけたまま母も、祭りで買ったお面なんかも

サファリパークみたいに祖母が窓に手をかけて話をやめてくれない 

次のかたどうぞ。の声に「あいっ」と言う 壁に気色の悪い蛾がいる

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買ってみた

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月曜、新聞にわたしの短歌がはじめて載った(小島ゆかりさんに読んでもらえて選んでもらえた!)ごほうびと記念に、買いました。

田舎の本屋にはどこにも置いてないから、中の内容がどんなかんじなのかもわからなかったけど、うた詞の辞典がほしかったので(けっこう初期のブログにも書いてたけど)、このタイミングしかない!と思って取り寄せました。

どこのページ開いても、読みふけってしまう。すっごい!読み物としてもすっごいです!枕にするにはちょい厚め。

これをヒントに、今月の宿題「氷」が詠めるといいのだけれど。実はいまのところ「氷」からおもうようなうたが全然出来てないのです...。

【今日のうた】

産むならば世界を産めよものの芽の湧き立つ森のさみどりのなか

 阿木津英『紫木蓮まで・風舌』

はじめての投稿、中日歌壇に載ってたぁー!

ひやーーーっ!!心臓ぱおーんだよ!!
起き抜け柄になく、大きな声でちゃった!!

初めて葉書をポストにインしたうたが、新聞に載ってるるるーーー。ひーやーーー。


採血の結果待つ部屋の暦には「愛する心は自分を救う」

2016/08/15中日歌壇 小島ゆかり

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うれしいって言うより、えええええ(最大の驚愕)という感じです。そして、身が引き締まるおもいです。ついこの前、ヒョッコリ短歌と出会ったヒョッコリヒヨコの短歌が、新聞に一行のって、知らない誰かに届くなんて、凄い凄いロマンじゃないですかー!

今日はそのまま出勤したのだけど、いつもより背筋がしゅっと伸びてた。それは実感あり、でした。ふふ。


【今日のうた】

所在なく君を待ちゐて驚きぬ永遠(とは)のごとくに愛を思ひをり

 小島ゆかり『水陽炎』

蛇足から手足をもがれた蛇でした

昨日は朝から貧血でよろよろ出勤したら、スマホをベッドに忘れたまま1日を過ごすことになり、無駄におちつかない日を過ごした。

仕事中はスマホはロッカーの中だし、お昼休みに通勤途中で思い付いた言葉をメモしたり短歌したり将棋さしたりTwitterみるぐらいしかしてないけど、何かが欠乏してるみたいに落ち着かなくてソワソワした。うたの日も題を知ることもできないまま時間切れ。「まるで手足をもがれた○○だな(空欄は任意の言葉で)」と思った。

で、お昼休みにスマホが無くて(しかもお昼休みに読む本も忘れたこともあって)、何かしらのバランスをくずした午後のわたしがやったことがどうかしていて、手がすいて誰にも見られてない隙を見つけては、ミセのありとあらゆるサイズのメモ用紙を見つけてきては短歌を書く。

「ヘイ 龍 カム・ヒアといふ声がする(真つ暗だぜつていふ声が添ふ)」(岡井隆)を書いては、エプロンのポケットに詰めていく。どんどんポケットは短歌でいっぱいになるし、接客しながらも頭のなかでは「ヘイ ドラゴン...」って誰かの声が鳴り響いてて。これはこれで仕事がツライ時の乗りこえ方として使えるかも、と思いがけず新発見だ。


今日は『現代女性秀歌』(栗木京子)のなかの「第一章 恋こそ短歌の泉」を読んで、「恋.........(慄然)」となってます。(´д`|||)タスケテ...


【今日のうた】

白藤のせつなきまでに重き房かかる力に人恋へといふ

 米川千嘉子『夏空の櫂』

短歌でほめられたらうれしいよね

振り返ってみると、始めたすぐの頃は、本当につらい苦しい気持ちを短歌にぶつけてただけだったと思う。短歌をサンドバッグにしてただけだったのかな。

今はもう少し、短歌をぎゅうと慈しむような気持ちで詠んだり読んだりしてるかも。

最近は気持ちを吐き出した嘔吐物のような短歌ができちゃったら、誰にも見せないでしまっておくようになった。短歌つくるとき、誰か一人でも読んでくれる人がいることを頭に置くようになった。

まだ自分のつくった短歌が良いうたかどうか自分でわからないから、ほめてもらえると本当に素直にうれしい。

もっと上達して凄腕短歌人になったらけなされたりすることもあろうかと思うが、今はまだけなされるレベルに至ってないのじゃなかろうかと思う。

勉強していくうち、自分のなかの小さなプロフェッサーが育ってきて、自分で判断つくようになったら、自分が良くできたと思う短歌ができてもそれで満足して人に見せなくなるのか、そこはわからないなあ。


(あと、ブログの更新は寝落ち寸前に更新ボタンを押せるかどうかにかかっているので、疲労困憊艱難辛苦の今週は寝落ちに負けていました。体調はまずまずです)


【今日のうた】

ポンコツのコツがさびしい音だなや五十六年間稼働した果てに

 加藤治郎「ミネラルウォーター日和」『角川短歌2016 8月号』

初日!!!

今日から、名古屋栄で、加藤治郎先生の短歌講座に通い始めました。

とにかく、ときめく1日だった。憧れの蒼井杏さんに、付箋びらびらの『瀬戸際レモン』をおずおずと差し出して、サインを頂いた。蒼井杏さんは、もぎたてレモンのように爽やかな笑顔のすてきな方でした。
( 〃▽〃)

受講されてる方の短歌を各自の直筆で提出、それを読んでコメントするのは新鮮だったあー。

様子がわからないから、「海」の題で三首つくってあった中から、その場でいちばん素直なのをえらんで提出しました。

兄のガールフレンドたちに手を引かれこわごわ歩むはじめての海/題「海」 森×緑

受講されてる方の短歌はどれも、時間におわれて浮わついた言葉の組み合わせでうまいことやったようなのなんか無くて、短歌にじっくり取り組んでる清らかな何かが底の部分にずっしりとあるのを感じて凄くすてきだと思ったし、ここでわたしもがんばりたいと本当に思えました。

ここまで導いてくれた短歌のお兄さんこと小坂井大輔さんに大感謝です!!!
これからも助けてください。

【今日のうた】

ひとりでに落ちてくる水 れん びん れん びん たぶんひとりでほろんでゆくの

 蒼井杏『瀬戸際レモン』

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名古屋の夜は一時

明日から短歌の講座に通うのですが、月イチの毒抜きも兼ねて泊まりで来ています。Yeah!!!

前からヒヨコも聞き及んでいた平和園をスマホの地図でしらべながら、ひとりで行きました、聖地巡礼!!

お店も忙しそうだし、短歌のノートは気になりつつもだまって帰ろうとしたところ、会ったことないのに短歌のお兄さんが気づいて「緑さん?」って声かけてくれて、短歌のノートを出してくれたの、感、激!!!
(≧∇≦)

一頁ずつありがたや、ありがたや、とめくりながらたぶんにやにやしてたと思う。でも人見知り過ぎて何にも話せなかった。

その後はいつものように、覚王山の古本バーcesta さんでありとあらゆるおしゃべりをしまくって、毒抜きして、宿に帰ったら泥のように眠りました。

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【今日のうた】

飛び上がり自殺をきっとするだろう人に翼を与えたならば

 木下龍也『つむじ風、ここにあります』

うたの日で薔薇!?

昨日、なななんと!うたの日で薔薇をいただきました。ひーえーー。。。

靴下を左右そろえて捨てるとき 添い遂げるとはと考えており/うたの日『靴下』森×緑 http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=855b&id=20

いつもだいたい真ん中らへんに表示されるから、一番上に自分の短歌があって、いっぱい評してもらってて、びっくりしてしまい、ほんと気絶するように眠りにおちました。気が動転してクスリの数まちがえたのかなあー。はは。

三日坊主でやめなくて、よかったねえ。四日目でこんないいことあるなんて。薔薇なんて、とおーい雲の上の世界の人しかもらえないものだと思ってた。つづけていたら、がんばっていたら、いいことあるんだねえ。


【今日のうた】

坂本龍馬中岡慎太郎の二つ墓情死のごとく寄り添いて立つ

 吉川宏志『青蝉』