恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

未來10月号の歌

『未來』に入会して半年以上が過ぎ、読みながらお顔が思い浮かぶ方や、お会いしたことはなくても素敵だなあと憧れる方も増えてきました。

今月もいい歌がいっぱい載ってて、わくわくします。

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未來10月号 夏韻集 森緑

紅薔薇は雨のしずくを全身に纏って左に傾いており

門柱の脇でピンクに咲く薔薇は人懐っこいまま色褪せてゆく

電話するって言われてすぐに断った耳の奥から恋してしまう

恋人は六年いない 裏庭の紫陽花の下に埋めた時から

めちゃくちゃにブラックベリーを潰すとき口裂け女のような微笑み

白桃にそっと歯を当てる体温がじわり上がって宵闇にいる

この恋は越えてはならぬと叱るよう夏至の夜更けに土砂降りを聴く

雷鳴をきっとあなたも聞いているテレビの音をふと消してみる

眼球をけぽんと外し一昼夜清水にさらし眼窩へ戻す

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そしてまた、今月も、月詠で悪戦苦闘しています。

まだ少し時間はあるので今月もギリギリまでがんばりまする。