恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

未来4月号の歌ともろもろの変化

わたしは余程の用がない限り、パーフェクトヒキコモリーナなので
玄関から外に出ません。
今月も郵便受けから「未来」を持ってきてくれるのは母なのでした。
そろそろ両親も、「未来」のどこかに娘の短歌が載っていると気づいてる様子で
たまには読ませろと言うようになってきました。
この間など、居間に置きっぱなしにしていた「未来」を最初のページから
探そうとしていて、あわてて止めました。や、や、やめてー。
なんていうか、気恥ずかしいのです。


あと、ヒキコモリ的に先月から動きありまして、
無職ではなくなりました。(拍手!)
あんなに職安ネタの歌つくってたのに、ねえ…(ちょっと残念?)。
ヒキコモリ的に、というのは、昔12年ほどやっていたフリーランスの翻訳者として
7年ぶりに復帰したので、ますます一層ヒキコモリそうだな、ということです。
まだ慣らし運転中ですが、そのうち今の自分の処理速度とかもろもろ解ってきたら
お勤め時代より身軽に出かけられるはずなので、気軽にほいほい誘ってください。
よろしくお願いします。


さて。
未来4月号ですが、まさか、びっくり、欄頭掲載でした。
夏韻集の看板のとなりに載るなんてこと、人生で一回ぐらいだろう、
先月だけの何かしらのミラクルだろう、と思っていたので、
記念に写真を撮ったのだけど、
今月号もおなじ位置に載せてもらってありました。

シンプルに喜べばいいんだけど、うれしいというより、
もっとがんばらないとやばいです、という気持ち。

わたしは子供の頃から、兄のおまけとして兄の邪魔をしないよう育てられ、
ほめられることも無かったし、注目も評価もされることもなく生きてきたから、
この先も存在感なく静かに生きてひっそり死んでいくだろうと思ってた(あるいは、思ってる)。
だから、ほめてほしいとか、評価されたいとか、自分から求めることはないし、
ほめられたり評価されたらどんな風にしたらいいか、実は解らないんだ。


もし、お時間あればお読みください。

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職安は禁煙なれどじんわりと煙草のにおいは染み付いており

ハローハロー、仕事納めのハローワーク、窓口のひとのきれいなネイル

あかねさす紫色のアイシャドウうなずきながら見とれてしまう

窓口の女性と会話をすることは社会に馴染む訓練ならん

昔よく上司が差し入れしてくれたセブンイレブンのえびせんを買う

甲子園球児にありしてっちゃんが届けてくれるアマゾンの箱

ぼてぼてに肥えた鴉が窓の外わたしを見据えて離れてくれず

眼を背けたら負けだろう豆乳を飲む手を止めてじっと見返す

頭から塩をかぶってシャンプーをすると穢れが祓えるらしい

シャンプーの泡が流れてゆく様を右眼をつぶり眺めておりぬ

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短歌をはじめて最初の頃、二年前のわたしは、
わたしの短歌はネットで流れてくる歌みたいに
きらきらもふわふわもしてないし、
きれいな言葉も出てこないし、読んでもほっこり?しないし、
夢みたいなことは詠めないし、こんな歌良くないんじゃないか、って悩んでたけど
このわたしが、オシャレでキラキラした歌を詠んでたら自分で自分を嫌いになると思うので
これが今のわたしのサイズに合った短歌、という気がしています。


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