恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

未来2018年6月号の歌「鳥を待つ」

仕事のことばかり考えて、短歌できない六月が過ぎました。

ニューウェーブ30年シンポジウムとか、デートとか、いろいろあったんだけど短歌はひとつもできてません。

七月は、リバウンドして短歌がめきめき出来るといいんだけれど。

 

もうそろそろ7月号が届くかという頃なんですけど、こちら、6月号の歌です。

ははぁ、まだ春先、無職、無職、言ってた頃だねえ。今だってたいして変わりはしないんですがねえ。

日本野鳥の会さんによると、鳥の餌付けは冬場の餌が少ない時期限定でおこなうように、とのことですので、今の季節、バードフィーダーは空のまま吊るしてあって、すずめも寄り付きません。

 

もしよろしければ、お読みくださいませ。

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鳥を待つ      森緑

絶望の世界新記録叩き出すゴールに誰も待ってはいない

ざあざあと近付いてくる雨音に急かされながら暦をめくる

日めくりは28から1に飛ぶ逃げた二月の影は見えない

無職にも春一番は吹き付ける痛い苦しい白く眩しい

庭の木にバードフィーダーを取り付けて窓際に立ち鳥を待ってる

来ないかも知れない鳥を待ちながら不自然な向きに首はねじれて

もしかしてりんごを初めて食べたのか窓を隔てて鵯に語りぬ

庭に立つ名前を知らない木のことを家族みんなが鵯の木と呼ぶ

サンシュユの小さきつぼみがゆっくりとちからを抜いて開き切るまで

まだ春を受け入れがたい心地してリップクリームを幾重にも塗る

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今日は町の図書館で「ひたくれなゐの人生」「ひたくれなゐに生きて」の二冊を借りてきた、どちらも斎藤史さんへのインタビューによる本。本の数もちょろっとしかない田舎町の図書館なので、びっくりするほど短歌の本は置いていない。こんな時、機嫌が悪いと田舎に生まれた自分を呪ってしまうけど、わたしはまだまだ知らないこと、知りたいことが多いので「壮大なのびしろ」って思うことにしてる。