恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

未来2018年8月号の歌「きゅんきゅん」

八月も真ん中へんです。
イカもキュウリも冷やし中華も食べられないし、
花火大会も夏祭りも予定していないので、夏感薄いです。
大好きなゴーヤをもりもり食べてる時は、夏っぽいですが。

今月とどいた未来8月号、今までで一番たのしんで詠んだ初デートの10首です。
のろけにならない、ぎりぎりのラインで抑えたつもりなんですけど、
まあ、人生で滅多にないことですし、、、

よろしければ、お読みください。

                                                                                                                                                • -

「未来」8月号のうた

きゅんきゅん     森緑

顔写真しか見ていない人と会うカレンダーはもうめくられている

昼下がりマンゴーアイスを食べたなど深夜二時まで電話で話す

デートとは言えず慌てて家を出る女子会だとかごまかしながら

特急に二時間乗れば駅に着く文庫本を読むことも忘れて

改札の向こうで待ってるオレンジのカーディガンを着た背の高いひと

手をつなぎ歩き出すとき胸のうちあまたの薔薇がひといきに咲く

怨霊や式神のことを楽しげに聞かせてくれる京のことばで

帰宅して肩口に付いたオレンジの毛玉ひとつを丁寧に取る

雨音の合間をぬって君の声思い出そうと呼吸を止める

きゅんきゅんの「ゅ」のぎこちなさに揺れている春のはじめの夜は眠れず

                                                                                                                                                • -

f:id:mxmidori:20180810232102j:plain