恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

未来2021年3月号のうた「夫婦箸」

今月は、未来が届くと同時に、元SKE48出口陽さんがクラウドファンディングで製作されたCDが返礼品として届き、森田しなのとして未来を受け取り、元ガチ恋ヲタむらさきとしてCDを受け取り、とにかくうれしかったです。

 

今月届いた未来3月号は、秋ごろ、短歌くるしい期につくってたものです。

本業についても考えるところがあって、うまく前に進めなかったり、先のことを思うと途方もなかったりして(たとえば親が死んだら葬式は兄に丸投げして国外に逃げたいな、とか、田舎のご近所付き合いはマジで大変だから矢面に立たされるぐらいなら親より先に死ねたらいいなー、とか)、とにかく、日常から拾い集めたり急に降ってきたりした短歌はどれも(悪い意味で)だめな感じで、「鶴は機織り機を前に羽をむしりながらなんとか十首つくり終えましたが血まみれで使い物になりませんでした…」というようなしろものです。

 

言葉を自在につかえるほど、もっと言葉を知りたいな。。。

 

そんなのでもよかったら、読んでいってください。

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夫婦箸   森田しなの

冬までにちゃんと脱皮を終えるからわたしをすっかり忘れてもいい

爪を塗るときの既視感ああこれはいつものクエチアピン錠の色

旅先に電話が鳴って身構えるまただ年金基金の勧誘

兄の部屋から爆音でヴァン・ヘイレン飛び起きていた朝おもいだす

カステラの紙まで食べた叔父さんは死んでも身内に語り継がれる

お変わりはありませんねが口癖の主治医と話すUFOのこと

母とふたり散歩に出ればご近所のおばさんにわたしだけ無視される

副賞の夫婦箸には触れられず届かない高い戸棚にしまう

ジェンダーだ、フェミニズムだの考えず生きていけたら楽しいですか

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わたしは短歌をはじめた2016年の春も今も、「短歌で競う」という考え方に馴染めないので、地元の賞など取ると身内が喜んでくれそうな賞には応募しますが、なかなか賞レースというものには気おくれしてしまいます。

月詠についても同じで、競い合うライバル、みたいな存在がいるのも悪くないと思うけど、わたしには馴染まない感覚なので、わたしはわたしに負けないように歌をつくり続けたいです。

 

明日はいよいよ、未来のオンライン作品批評会です!

参加者はマイクはミュートで、カメラもオフでいいらしいので、歌会と同様にお菓子と飲み物をたくさん並べて参加するのもアリかも知れない…!いつもとは違う選者さんの評が聞けるのが楽しみです。