恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

ついに、かりんに入会しました

わたしがかりんの子になりたいと思ってから、かなり長い年月が経ちます。

まだまだ勉強中なので、かりんの歌の特色だとか、すべて理解できて入会を決めたのではなく、長年の憧れがおさえきれなくなったのが理由です。

しかも、漠然とした憧れです。

 

五年前のお正月に「かりん 2016年11月号」を見本誌としていただきました。

それと同時期に、未来夏韻集の大辻先生の歌会に参加させてもらいました。大辻先生はわたしの高校のかなり上の先輩でした。三重県の(すごい田舎)にいても短歌はできます、とお声掛けいただいたこと、歌に対して熱く、初心者にもわかるように文法を教えてくださる大辻先生のもとで短歌を勉強しよう、と決めて未来に入会しました。

 

未来に入会した後も、かりんの見本誌を何度も読み返して、のびのびとゆったり詠まれた歌が多いなあとしみじみしたり、入会届(すでに旧式になっていることをこの度公式サイトで知った…)を開いては丁寧にしまったり、どこかで引っ掛かっていました。

 

未来で嫌なことがあり(平たく言ってどうしてわたしに?と思うような嫌がらせがあり今でもモヤッています)、未来を辞めようかと思うこともありました。

当時はいざとなったらかりんへ、という思いで、身近なかりん会員の方に相談したりしていましたが、わたしが未来から逃げるのは間違ってると思ったので、そうやすやすとは負けませんよ?という反逆精神で未来にしがみついてきました。

 

やはり、かりんの子になりたい、と思った最大のきっかけは、2021年夏の全国大会がZOOMで外部の人にも公開されていて、やったー!ラッキー!東京まで行けない田舎民でも参加できる!!!と心待ちにして拝見したことでした。

会員のみなさんの親密であたたかい雰囲気。若手の方がはきはきと楽しそうにされていて素敵でした。そして馬場あき子先生の奥で遠慮容赦なく鳴き叫ぶ蝉。憧れの世界を垣間見た気持ちがしました。

 

2022年2月、かりんへの憧れを何気なく話したら、掛け持ちしちゃいなYO!と強くすすめられ、一か月迷いました。

わたしのように未来の月詠だけでひーひーしてるのに掛け持ちだなんて、今までのままではダメ、さらに高いクオリティで二倍作れなくては意味がない、できるのか??ほんとにできるのか??と自分を追い込んで悩む日々でしたが、大辻先生にお手紙で相談し、お返事をいただいて、おもいきってかりんに飛び込むことに決めました。

 

未来夏韻集の仲良くしてくれる先輩たちと離れたくなくて泣き言をいったら、ある人はクールに、環境が変わっても短歌をつくることは変わらないから別にどこに属しても変わらない、と言ってくれて、またある人はとても親身に、歌をつづけている限りはどこかで縁がつながっているから、とありがたい言葉をかけてくれました。

 

わたしは不器用で寡作で自分を追い詰めがちな性分なので、掛け持ちが生涯つづくとも思えません。

いつか、夏韻集の子でなくなってかりんの子になっても、ちゃんとかりんの子になれなくて夏韻集の子に戻っても、いまかりんに飛び込む決断をしてよかった、と思います。

 

短歌をはじめて最初の二年くらいの「短歌、たのしい!!」って言い続けてた頃のきもちが、ふつふつと戻ってきてるのです。

新しい春はバタバタしていますが、短歌たのしい!春になりそうです。

 

それでは、これからも転がる石のように落ち着かないわたしを、どうぞよろしくお願いします。

(4月から月詠を送る予定です。6月号から掲載、なのかな?)