恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

伊勢神宮観月会の短歌と兄にランチをゴチになります会でのこと

先日、中秋の名月の9/24に伊勢神宮でおこなわれた観月会に応募した短歌(題詠「父」または「母」)で、準佳作をいただきました。

 

観月会は行けなかったのですが、後日、ずっしり重い小包で、神宮の印が入った桧の文鎮(めちゃくちゃ目の覚めるようなヒノキの香り!)の記念品と観月会応募作品集が届きました。

 

両親は、うちの娘がもらうんだから準佳作なんていうのは参加賞みたいなもんだろ、と思っていたようでしたが、記念品がどえらい霊験あらたかな様子で、また、作品集を見て日本全国から多くの応募があったこともわかり、驚いていたようでした。

 

母の見し対馬の海ははるかなり今は熊野の海を眺めん

 

それで、昨日10/3は月に一度、兄と両親と4人でランチをいっしょに食べる会だったのですが、わたしは恋人のことを兄にどのタイミングで切り出そうか、相談できることは相談してみようかと、もわんもわん考えていたので、短歌で準佳作だったことは伝えるのを忘れていたのですが、ランチの最中、唐突に父がわたしのことを褒め始めたのです。これにはわたしの方が、はぁ????と取り乱してしまいました。

 

わたしはこの家では、出来の悪い方のこども、ということで、子供の頃から褒められることはなく、親の期待通りに成長した兄と比べたら厄介者の居候で、腐ったみかん(え?古い?)という立場です。

 

父は権威に対して非常に弱いところがあり、伊勢神宮!というのがじわじわきてるようで、日頃絶対にわたしを褒めないのがウソのようにこの時だけは「寝てばっか居るのに、どうやって作るか知らんけどいつの間にか作っとる」だとか「かんたんなことしか書いてないのに、なぁ」だとか突然言い出したので、何?兄の可愛がってる妹を持ち上げて今さら兄に点数稼ぎ?とオタオタしてしまいました。

兄はわたしが短歌をしていることも知らなかったようで、おどろきつつ喜んでくれているようでした。その点では、父がばらしてくれて良かったかな。

 

 

でもこのところ、短歌がまったくできません。

この先、賞とか入選とか何もなくなったら、最近どうなってんの、あれはまぐれか?って父親から嫌味ばかり言われそうでナーバスになります。

だからといって、常に挑戦し続けるのは苦しい。それはもう、わたしが楽しんでいた短歌ではなくなるのではないか。でももっとのびのび自在に歌を詠めるようになりたいし、そのための勉強をしたい。。。

 

 

なんか、ぐるぐるぐるぐるしてるけど、とりあえず、短歌の前に生活を正さなければ、とは考えてます。。。ぐむむ・・・。

 

 

未来2018年9月号は800号記念特集号(1)でした

今月号、分厚いんですけど、「800号記念特集号(1)」ということは

まだまだ前半なんだぁ、ひょえーという密度です。

 

わたしの送った自選10首と短いエッセイも載せてもらってありました。

わたしみたいな短歌はじめたての者からベテラン選者さんまで

1人半ページずつを割いて、あいうえお順で等しく載せてもらってあり、

ちょっと震えました。

 

今月号の歌は、ちょっともう、仕事も私生活も手詰まり感があった頃、

日常もできてないのに短歌、詠めないよ、、、という気持ちで送った月詠

歌会で「重過ぎる・・・」と評をいただいた歌を事実から少し離して

書き直したものも入れました。

欄頭ファイブでの掲載でした。もっとがんばります。。。

 

よかったら読んでみてください。

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未来8月号の歌    森緑

, (コンマ)にてつらつらつづく英文に息切れがするぬるい真昼間

背の高いなで肩の君と並ぶとき鴨川沿いにひかりは射して

滑らかな君のなで肩を指先でなぞりつづける目を覚ますまで

白鵬が負けたまんまで夏場所が終わったあとの月曜の朝

君と観た映画のあとも残ってるキャラメルポップコーンの味は

送信したメールの返事はスルーされそちらの雨はあがりましたか

しゃべらない客と覚えているのだろう黙したままで髪を切りゆく

「わがままをゆるしてほしい」という君をゆるせずに咲く白いあじさい

白米はのどを通らずお豆腐のやさしさだけがしみこんでくる

人はみな右手の甲から脱皮するほんとに夢であったのだろうか

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未来2018年8月号の歌「きゅんきゅん」

八月も真ん中へんです。
イカもキュウリも冷やし中華も食べられないし、
花火大会も夏祭りも予定していないので、夏感薄いです。
大好きなゴーヤをもりもり食べてる時は、夏っぽいですが。

今月とどいた未来8月号、今までで一番たのしんで詠んだ初デートの10首です。
のろけにならない、ぎりぎりのラインで抑えたつもりなんですけど、
まあ、人生で滅多にないことですし、、、

よろしければ、お読みください。

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「未来」8月号のうた

きゅんきゅん     森緑

顔写真しか見ていない人と会うカレンダーはもうめくられている

昼下がりマンゴーアイスを食べたなど深夜二時まで電話で話す

デートとは言えず慌てて家を出る女子会だとかごまかしながら

特急に二時間乗れば駅に着く文庫本を読むことも忘れて

改札の向こうで待ってるオレンジのカーディガンを着た背の高いひと

手をつなぎ歩き出すとき胸のうちあまたの薔薇がひといきに咲く

怨霊や式神のことを楽しげに聞かせてくれる京のことばで

帰宅して肩口に付いたオレンジの毛玉ひとつを丁寧に取る

雨音の合間をぬって君の声思い出そうと呼吸を止める

きゅんきゅんの「ゅ」のぎこちなさに揺れている春のはじめの夜は眠れず

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未来2018年7月号の歌「えぐみ」

2018年も半分終わっちゃったよ、うわあーーーんん。

2018年については、恋愛できたこと以外に何も前進しとらん気がします。

 

そんな時に届いた未来7月号。

この前、短歌する恋人とも話したんだけど、わたしはこの先も短歌を楽しくつづけられたらそれが一番しあわせで、大きな注目や評価をされることがなくても、何かしらの賞とかもらえなくても、短歌をしていたおかげで優しい恋人や友人ができたから、もう十分もらい過ぎなぐらいやし、と思っていて、、、、それで、あの、、、うまく言えませんけど。

それでも、夏韻集の看板横に並んで載せてもらってあると、背筋がしゅっと伸びる感じがします。大辻先生から、もっともっとがんばれるで!と声をかけてもらってるような気持ちでぐっときます。選歌後記にも強くはげまされました。

今月も、ありがとうございます。

 

未来7月号の歌9首です。

よろしかったら、ちょっと読んでいってくださいませ。

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えぐみ       森緑

三月はさらさら落ちる砂時計うしろ姿に声はかけない

止まり木に白木蓮の群れを見たどれも飛び立つことはなかった

スピッツの「ロビンソン」ばかり流れてた新卒の春のFMラジオ

のど飴は糖質90%(パー)オフで甘い石ころなのかも知れない

待ったなしの三月末とわたしとの軋みのなかをゆく紋白蝶

筍の下茹でをする湯気の中わたしのえぐみはあふれてしまう

欲求が(異性に対し)わいてこない つぎつぎ芽吹く庭のドウダン

先輩が老眼鏡を買いしこと真夜中過ぎのツイートに知る

最後までチェーンソーなど出て来ない「女子高生チェーンソー」なる映画

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未来2018年6月号の歌「鳥を待つ」

仕事のことばかり考えて、短歌できない六月が過ぎました。

ニューウェーブ30年シンポジウムとか、デートとか、いろいろあったんだけど短歌はひとつもできてません。

七月は、リバウンドして短歌がめきめき出来るといいんだけれど。

 

もうそろそろ7月号が届くかという頃なんですけど、こちら、6月号の歌です。

ははぁ、まだ春先、無職、無職、言ってた頃だねえ。今だってたいして変わりはしないんですがねえ。

日本野鳥の会さんによると、鳥の餌付けは冬場の餌が少ない時期限定でおこなうように、とのことですので、今の季節、バードフィーダーは空のまま吊るしてあって、すずめも寄り付きません。

 

もしよろしければ、お読みくださいませ。

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鳥を待つ      森緑

絶望の世界新記録叩き出すゴールに誰も待ってはいない

ざあざあと近付いてくる雨音に急かされながら暦をめくる

日めくりは28から1に飛ぶ逃げた二月の影は見えない

無職にも春一番は吹き付ける痛い苦しい白く眩しい

庭の木にバードフィーダーを取り付けて窓際に立ち鳥を待ってる

来ないかも知れない鳥を待ちながら不自然な向きに首はねじれて

もしかしてりんごを初めて食べたのか窓を隔てて鵯に語りぬ

庭に立つ名前を知らない木のことを家族みんなが鵯の木と呼ぶ

サンシュユの小さきつぼみがゆっくりとちからを抜いて開き切るまで

まだ春を受け入れがたい心地してリップクリームを幾重にも塗る

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今日は町の図書館で「ひたくれなゐの人生」「ひたくれなゐに生きて」の二冊を借りてきた、どちらも斎藤史さんへのインタビューによる本。本の数もちょろっとしかない田舎町の図書館なので、びっくりするほど短歌の本は置いていない。こんな時、機嫌が悪いと田舎に生まれた自分を呪ってしまうけど、わたしはまだまだ知らないこと、知りたいことが多いので「壮大なのびしろ」って思うことにしてる。

 

未来2018年5月号の歌「婚」

現在、非常にラブラブ安定期状態なのですが、

5月号の歌を詠んだ頃はそうではなかったようですねえ。

はは、ははは。。。

シェール姉さんは昔から好きですが、

「Woman's World」はほんと、イラついてる時とか

気合を入れる時とかよく聴いています。

 

 

「婚」よかったらお読みください。

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婚      森緑

その妻の初盆過ぎてドトールに茶髪で現る還暦の友

もっと恋をしたいと言うとき真っ直ぐな眼しておりひるんでしまう

寝る前に婚活サイトのアドレスが三つ届いてひとつを開く

並んでる写真をさくさくスクロールしつつ気にする指のささくれ

カップ麺ひとつ作れもせぬ父が母の煮付けに文句をつける

父母の罵り合いを聞く時のぬるいカレーは舌にざらつく

怒鳴りあう声はいよいよ高くなり金婚式は祝わずに過ぐ

もし君が独身ならば猫又になりて死ぬまでそばにおりたし

シェールの歌う「Woman's World」を無限にリピートしながら眠る

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人見知り、マッチングアプリで歌人と出会う④(完) ~「どうしようもない僕に天使が降りてきた」槙原敬之

四月の後半、初デートが無期延期になったあと、
半月ほど毎晩、二時間ほど電話で話をしてから眠る生活をつづけておりましたが、
連休中、ぶじに初デートを果たし、お付き合いをすることになりました。

このわたしに恋人ができる日が来るなんて、
奇跡というか、ミラクルというか。。。もうもうもうっ!!!!


あんまり詳しく書くと、恋人氏にめいわくがかかるといけないので
かんじんのところはモザイクがかかる感じで恐縮ですけど、
とにかく、わたしのような美しくもないどうしようもないおばはんにも優しい
若くてほんまにええ子なんですよ!!!

わたしが恋愛してなかった期間が長すぎて(7年?)、ちょっとまだ
ぎこちなくなってしまって、まっすぐ顔を見られないとか、
手をつないで歩く時に、ええ年した女がこんなんしてええのやろか・・・って
戸惑うこともあるのだけど、
(もともと幼いのにさらに)5歳は若返った気がしてます。


偶然、今月号の未来に、奥さん亡くしてすぐの友人(ほぼ還暦)が茶髪にしてきて
もっと恋したいもんって言った時、抵抗をおぼえた歌を載せてもらっていますが、
いくつになっても恋はいい、と思い直しました。
あの歌を詠んだときはこんな気持ちになるなんて、
想定外だったのですよ。ひぃ。。。


このまま、遠距離恋愛を無理せずつづけて、
いつかは、短歌を詠んだり、散歩をしたり、
下戸のふたりだけど雰囲気だけちょっとだけの晩酌をたのしんだり、
そんな平穏で静かな暮らしができたらなぁー、とおもっています。

え?気が早い?
そんなこと言わないでくださーい。
将来の夢なんですからー。

人見知り、マッチングアプリで歌人と出会う③ ~「Z女戦争」やくしまるえつこ

どうも、どうもどうも。

未来夏韻集きっての非モテ(たぶん、そう!)もりみどです。

 

その後、「会いたいねー」という話は何度も出るのですが、遠距離ということもあり、まだ会うにはいたっていません。どこでもドアが会ったら今すぐ、、、といつも仮定法の会話になってしまいます。

相手のことより自分の会いたいを優先させてしまい、よし!明後日会いに行く!となかば強引に初デートの約束をしたものの、その後、もっと時間をかけてから会いたい、と言われて延期(無期延期…)になってしまいました。

 

その時、こころの距離を縮めてから会いたい、と言われてしまいました。

 

会わずして、こころの距離を縮めるには、どうすればいいのか。わたしには、難しい哲学的な問いを投げかけられたようです。

 

ちょっと旗色のよくない状況かも知れない。

だけど、お相手が納得して会う約束をしてくれるまで、もう少しがんばって、待ってみようと思うよ。

それができないようなせっかちじゃ、「結婚したらあなたのことをわたしが守って支えていく」というのも嘘っぱちに終わるもんね。

 

進展があるのはずっと先かもしれないので、記録しておきました。

 

人見知り、マッチングアプリで歌人と出会う② ~「Sweet Soul Revue」PIZZICATO FIVE

さて。

その後の一週間です。

 

体重は3キロ減。しあわせホルモンがだふだふ溢れ出し、好きな人に会う時に少しでも美しくありたいと思うと、姿勢もよくなるし勝手に痩せていくのです。恋愛は最高のダイエット法なのかも。

 

はい、デブのダイエット話はさておき。

 

前回のブログを書いた後、毎日毎夜0時まで、LINEで話してます。うふふふ。

 

前回のブログでは、わたしのことをどう思って接してくれてるのかしら、というところで終わったのですが、お相手の方は婚活を真面目に考えていて、わたしのこともただ短歌をやっててスガシカオが好きでSKE48ヲタで百合ヲタで気が合う、というだけじゃなくて、ふたりで暮らしたらどうなるんだろう、なんてことも考えてくれているのがちゃんと伝わって安心しました。在宅ワークで24時間一緒にいて家事までやってくれるとのことなので、その分わたしはもっとガツガツ稼げそうな取引先を物色しています。在宅だからすっぴんにジャージで鼻歌うたうけどいい?って聞いたら、OKとのことでちょっとほっとしていますよ。

 

会う前に、ほぼわたしの弱点は話しちゃったな。健康上のことや、仕事のデメリット、家族関係の話、性的指向について、結婚相手を選ぶ際にどん引きされそうな話も、みんな話した。だって、この先もっと好きになった後で、話を切り出して嫌われたくないから、今のうちなら傷は浅いはず・・・と思って。

 

LINEの文字越しに、彼はわたしのことを気遣ってくれたり、いっしょに乗り越えようと言ってくれたり。もう、きゅんきゅんのきゅんです。

日に10回はきゅん死してる。

 

昨日、はじめて好きって送ったら好きってかえしてくれた。

うれし過ぎて絶命するかと思った。

ハートの絵文字にここまでの心理的効果があるとは・・・!!!

 

恋の奔流に、ある日突然押し流された感じで、まだ恋のうたを詠むよゆうがありません。あと、わたしのいつもの感じ、いつもの文体で詠むと、身もふたもない歌になりそうで、まだ詠むのを迷ったりもしてしまいます。

 

以上、早くデートのやくそくをしたいもりみどが、現場からお送りしました!

 

人見知り、マッチングアプリで歌人と出会う① ~「ラブリー」小沢健二

久しぶりに、掲載された短歌以外のネタ的な文章を書く。いや、ネタじゃないの、まじのお話、実話だからね。短歌に関係するお話でもあるから、いつも読んでくださる皆様もチャンネルはそのままで、ね。

 

わたし、人見知りだし、そもそも山奥に住んでて外に出ないし、出会いなんてないし、ツイッターでも「恋人募集(自薦他薦問わず)」って言い続けてるのに応募がないし、とうとうマッチングアプリなるものをインストールしたの。

 

でも、これ、どうやら写真を載せてないとまともに取り合ってもらえないらしいのよ。写真写りがひどいおブスだから、まともに顔のわかる写真が無くて、自撮りなんてしたことないからもう必死!かたい笑顔で何回も何回も、撮ったわ、撮りに撮った。力尽きて、もうこれでええやん、本体がおブスなのに奇跡の一枚なんて無理やし、とキレ気味に写真をアップして、自己紹介を書いて待つ。

 

・・・・・・・。うん、普通に何も来ないよね。若い美男美女しか「いいね」されないんだな、と当たり前の感想をもって初日はおわり。(この「いいね」がお互いに交わされて初めてメッセージのやりとりが可能になるシステムなのです)

 

翌日になると、ちらほらと足跡が残されて、おや?美人でなくてもプロフィールをのぞいてくれる人がいるんだな、と思ってるうちにぽちぽち「いいね」が届くようになってきました。表示される「いいね」数が「5未満」から「6」「7」と実際の数に変わったタイミングから「いいね」されやすくなり、「25」を超えるとこちらから相手を検索しなくても足跡が急に増え「いいね」も増えていく印象です。ほかの人の「いいね」に担保される形なのでしょうか。いや、何だかよくわかりませんね・・・。

 

3日ほど、自分からはほとんど「いいね」しに行かず、じっと見ておりましたが、「いいね」してくれるのは20代の学生だったり、15歳くらい年上だったり、子供がほしい人だったり、ぴたっと来るお相手の「いいね」は得られずにおりました(このブログで連作「子宮を捨てる」を公開しているし、ご存じかもしれませんが、わたしは子宮全摘出済で出産はできません、性交渉は普通に可能だそうですが)。

 

ここはいっちょ、自分から「いいね」しに行くか!と恋の狩人になる覚悟を決め、いろいろ検索をしてみたのですが、検索条件には住んでるところや身長や年収なんかを設定できるけど、わたしの中にそういう尺度で具体的な条件がなく、かと言って検索項目には「子供がほしいかどうか」はなくて、くたびれもうけのスーダララという感じでしたの。

 

登録してからたぶん4日目の夜かな、短歌が趣味の人のコミュニティをのぞいたのです。それならいっそ歌会とか短歌のイベントで出会えるのでは?と一瞬思ったけど、いいえ、わたしはヒキコモリーナの人見知り、出かけるだけで精一杯で声なんかかけられやしないのです。

さすが、短歌!登録してる人間、少なっ!!(そんなこと言ったら、将棋ウォーズやってる人のコミュニティなんて女子はわたし含めて2人だけどね・・・)

いや、少ないってことは短歌ガチ勢にちがいないぞ。だいじょうぶ、だいじょうぶ、「いいね」してみて「いいね」返って来なかったとしてもノーリスク・ノーリターンやし。

 

そこでね。満面の笑みで自己紹介文も感じがよくて、スガシカオが好きってところも共通してるとっても印象のよい人を見つけたの。でも7歳年下・・・わたしのプロフィールなんて見てもらえるのかな??と思いながらも強く惹かれるものがあって、自分から「いいね」押してみた。

 

あっ、押しちゃった。と思う間もなく、すぐお相手から「いいね」が返ってきちゃった!え?? え?え?何これ、いいの?これ、マッチング成立っていうあれですよね?めちゃめちゃ汗かいてるんですけど、ちょっとタオル取って来ていいですか?

 

はじめて、マッチングしたのは、正確には6歳年下の歌人でした。

 

一昨日の話です。実話です。実話怪談じゃないです、実話です。そこの人!「イワコデジマ、イワコデジマ」とか言わない!

 

わたしみたいな美人でもない普通の太ましいおばさんが、すごく素敵な若い男性とマッチングされたのもミラクル過ぎるんだけど、最初に交わした話題が「結社どこですか?」とか「短歌研究詠草」とか「うたう☆クラブ」だなんて、少女漫画みたいに出木杉君じゃないか。ほかにも音楽の話やお笑いの話もしたけど、何を話しても心地よくて、こちらがセロニアス・モンクが好きって言ったらすぐ調べて聴いてみてくれる、しかも0時きっかりになると、うまく話を切り上げてお休みなさいしてくれるの、ほんとに実在する王子様ですか!まさか、、、まぼろし~~・・・?

 

今日で3日目。わたしは会ったこともない人を好きになりかけています。いや、もう、これはノックアウトでしょう。

でも、お相手の気持ちがわかりかねます。趣味があうおばさん、と思ってるのかしら。恋愛対象になるかどうかは、どうすれば確かめられるのかしら。会ってみないとやっぱりわからないのかしら。

 

これは、記録。これから始まる春の恋愛大戦の。 

 

未来4月号の歌ともろもろの変化

わたしは余程の用がない限り、パーフェクトヒキコモリーナなので
玄関から外に出ません。
今月も郵便受けから「未来」を持ってきてくれるのは母なのでした。
そろそろ両親も、「未来」のどこかに娘の短歌が載っていると気づいてる様子で
たまには読ませろと言うようになってきました。
この間など、居間に置きっぱなしにしていた「未来」を最初のページから
探そうとしていて、あわてて止めました。や、や、やめてー。
なんていうか、気恥ずかしいのです。


あと、ヒキコモリ的に先月から動きありまして、
無職ではなくなりました。(拍手!)
あんなに職安ネタの歌つくってたのに、ねえ…(ちょっと残念?)。
ヒキコモリ的に、というのは、昔12年ほどやっていたフリーランスの翻訳者として
7年ぶりに復帰したので、ますます一層ヒキコモリそうだな、ということです。
まだ慣らし運転中ですが、そのうち今の自分の処理速度とかもろもろ解ってきたら
お勤め時代より身軽に出かけられるはずなので、気軽にほいほい誘ってください。
よろしくお願いします。


さて。
未来4月号ですが、まさか、びっくり、欄頭掲載でした。
夏韻集の看板のとなりに載るなんてこと、人生で一回ぐらいだろう、
先月だけの何かしらのミラクルだろう、と思っていたので、
記念に写真を撮ったのだけど、
今月号もおなじ位置に載せてもらってありました。

シンプルに喜べばいいんだけど、うれしいというより、
もっとがんばらないとやばいです、という気持ち。

わたしは子供の頃から、兄のおまけとして兄の邪魔をしないよう育てられ、
ほめられることも無かったし、注目も評価もされることもなく生きてきたから、
この先も存在感なく静かに生きてひっそり死んでいくだろうと思ってた(あるいは、思ってる)。
だから、ほめてほしいとか、評価されたいとか、自分から求めることはないし、
ほめられたり評価されたらどんな風にしたらいいか、実は解らないんだ。


もし、お時間あればお読みください。

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職安は禁煙なれどじんわりと煙草のにおいは染み付いており

ハローハロー、仕事納めのハローワーク、窓口のひとのきれいなネイル

あかねさす紫色のアイシャドウうなずきながら見とれてしまう

窓口の女性と会話をすることは社会に馴染む訓練ならん

昔よく上司が差し入れしてくれたセブンイレブンのえびせんを買う

甲子園球児にありしてっちゃんが届けてくれるアマゾンの箱

ぼてぼてに肥えた鴉が窓の外わたしを見据えて離れてくれず

眼を背けたら負けだろう豆乳を飲む手を止めてじっと見返す

頭から塩をかぶってシャンプーをすると穢れが祓えるらしい

シャンプーの泡が流れてゆく様を右眼をつぶり眺めておりぬ

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短歌をはじめて最初の頃、二年前のわたしは、
わたしの短歌はネットで流れてくる歌みたいに
きらきらもふわふわもしてないし、
きれいな言葉も出てこないし、読んでもほっこり?しないし、
夢みたいなことは詠めないし、こんな歌良くないんじゃないか、って悩んでたけど
このわたしが、オシャレでキラキラした歌を詠んでたら自分で自分を嫌いになると思うので
これが今のわたしのサイズに合った短歌、という気がしています。


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未来3月号の歌

今月は、夏韻集のタイトルと並んで載せてもらってて、とってもとってもとってもとっても恐縮と、わたしの中の広末涼子が歌っております。

わたしなんかがなんちゅうおそれ多いこと......!!!とイタタマレナイ気持ちでこれから一ヶ月、透明な嵐が過ぎ去るのを待ちます。
いいえ、これから一ヶ月、より深い思いで精進します。

お時間あれば、お読みください。m(__)m

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冬花火   森緑

東の和室の障子を開け放ち突っ立って見る山辺の花火

音よりも遅れて開く赤い花ホットワインはのどを滑りぬ

しゃっくりを百遍すると死ぬという四十七まで数えたりしも

アボカドは和名「鰐梨」父母は食わず嫌いのまま往ぬならむ

湯の中にからだ伸ばせばほの白くつまさきまでは見えなくなりぬ

抜け落ちた睫毛一本湯の中にゆるり沈みて消えゆきにけり

粕汁の夕げの後のひとときに酒のにおいは濃く留まれり

キッチンでこっそり酒粕かじるときトムとジェリーのチーズを思う

カーテンを透かして届く月明かり青いくすりをもうひとつ飲む

枕元に「エズラパウンド」と走り書きありていかなる夢を見たるや

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今月の大辻せんせいの選歌後記、すごくじーんと来ました。「歌は究極のところ、自分のために歌うものです。選者の嗜好や、点数や、まわりの評価だけを気にするのは、長い目で見て、あまりおすすめできません。」のところです。
わたしは自分のために、大辻せんせいのもとで歌をつづけていきたい。

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