恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

あらやだ、師走なのに半袖よ。「かりん」2023年12月号のうた

今月はいいことありました。

10月にかりんの若月会のみなさんで何かしよう、という発案があり、ネプリを出そうということになり、わたしもおそれながらお仲間に入れていただいちゃって、五首とひとことを寄せていたのが出来上がりました。

今は師走も半ばなので、もうネプリは終わってる、のかな。

若月会の華々しいメンバーに混じっちゃって、え?え?いいのかな?でも楽しそう!と思ったし、声をかけてもらえたことがうれしかったです。

 

そして、そして、これはもう依頼が来ても断るくせに、ずーーーっと意地と惰性で続けていたようなもんですけど、フリーランスの工業翻訳者としてやってきた個人事業主の廃業の手続きをモロモロやり遂げました。

 

自分ひとりの責任で、よくわからん仕事を完璧に、しかも超特急激短仕上げでやらないといけないのが、もうしんどくなってきたんですよね。そのプレッシャーに向き合えないというか。若い頃は12年も怖いもん知らずと慣れでできたし、何日か徹夜もできたけど、今は依頼の内容も以前のようなサクサク案件ではないので、一回ごと悩みながら悩んでる時間はないというのも苦しかった。文脈ガン無視で同じ単語の並びだからって機械がそれ風に翻訳したものを、モノが違うから人が翻訳したようにガリガリ直すんだけど(機械翻訳の編集ということでポストエディットなどと呼ぶ)依頼で多いのは、日本語としてキッチリしてなくても読んでざっくり意味が通ったらいいレベルの日本語、という中途半端なもので、そこのもどかしさも辛かった。

 

そんなわけで、アルバイトを週に少ししながら、どうしても買いたい本が買えるぐらいの暮らしをのんびりやっていきます。

 

久しぶりにハローワークの前を通ったら(手続きに行った税ムショはハローワークの二階なのだ)また仕事の歌でもできそうかな、なんて思ったのでした。

 

アッ!!

今月の「かりん」は盛りだくさん!

「年間展望・若月集」の特集では光野律子さんに「多様な個性が渦巻く」ということでよく若月集に掲載される方々の特徴がとても微細に紹介されていて、うんうんうなずきながら読みました。鈴木加成太さんや、郡司和斗さん、それに年間11回掲載の川島結佳子さんから始まって、個性渦巻くってほんとそうだなーと思っていたら、わたしのことも・・・!ビックリ!

 

芽吹く樹がわたしより偉く見える日のやけにしょっぱい桜餅の葉/森田しなの

「友がわれより偉く見えたのは啄木、森田作品は芽吹きにさえも劣等感を覚える我を詠む。その悲壮感は重すぎず、それにふさわしい結句は若月集ならでは。」(光野律子さん)

ありがたいお言葉に、あれ?わたし、若月集にいてもいいの?かな?とじゅわ~っとうれしくなりました。ありがとうございます。

 

実はわたし、霧島茉莉さんのファンなのですが、やはり美しい一首が評されていて、やはり素敵・・・と思いました。言葉の選び方が繊細で、美しい世界観をつくりだす霧島さんに憧れているんです。

 

水風船に涼やかとなる韻律を夢みてゐたり回し続けて/霧島茉莉

 

ほんとうに、若月集って毎月すごく気になる面白いページだと思うので、なかなか入れないけどやっぱり入ってるとうれしいし、わたしなんかが・・・って恐縮してしまいます。

 

今月は、Ⅲ欄にいます。

前月号の十首(Ⅲ欄)にもいました。

生きとんのか死んどんのかもうわからんと叫んでも母の背中は無言/森田しなの

 

わたしの歌なんて自分でもよくわかっていないまま走ってるばっかりなのに、読んで気にとめてくださる方がいることで、とても励みになります。

本当にありがとうございます。

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12月号のうた

免疫は善いものでしょう?免疫を抑えるクスリばかり嵩張る

休むにも体力は要る眠っては食べ食べては眠る

わたしにも縁談が来て断ったことをぺろっと漏らす父親

近ごろは家の中でも転ぶ母 両手でつかみ起こす重さよ

LINEには君の既読が付いたまま 今宵の月はせーのでみたい

月光を浴びる芯から冷えるまで君を記憶の海に帰そう

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実は・・・これ、おかしいなと思いませんか?わたし、ギヤーーーーッ!!って声でちゃった。二首目、三句の五音がすぽーんと抜けてますやん!!

 

休むにも体力は要る(ここに五音)眠っては食べ食べては眠る

としたかったはず。こんなウッカリは初めてです。はずかしい。。。

気付かなかった人は気付かないで~。