今月号も無事届けていただけました。
ありがとうございます。
毎月届くことは決して当たり前ではなくて、こんな状況下でも一冊の本として作ってくださっている方々のおかげなので、感謝で毎月泣いてしまいそうになります(いえ、ほんとはちょっと泣いてます)。
歌。
つくれません。
毎月しめきりの間際までギュウギュウ絞ってやっとぽとり、と落ちてきたものを出しています。欠詠したらわたしは短歌をやめてしまう気がしてなんとかもがいて欠詠しないように毎月送っています。
話はかわりますが、今、放送中の「かげきしょうじょ!」というアニメをみています。宝塚をモデルにしたような、紅華のスターをめざして入学してきた新入生たちの物語です。
この前の五話!入学から何のとりえもなさそうに見えた山田さんの話。
先生からは痩せなさいと言われ嘔吐することで減量しようとして体をこわしてしまう、成績最下位の山田さん。ここはわたしの居場所じゃなかったんだ、と夢をあきらめかけたのだけど、なんと、なんと、何にも特徴がなさそうに見えた山田さんは歌の才能があったのです!
自分ではみつけられなくても、まわりの人たちは山田さんの歌がすごいってこと、ちゃんとわかってたのですね。
紅華100期生のなかで地味で目立たない印象だった山田さん。わたしはそんな山田さんに、未来夏韻集でいまいちぱっとしない自分をひそかに重ねてみていたのです。
でも、山田さんにはちゃんと才能をみつけて夢の方角へ引っ張り上げてくれる人がいた。わたしも自分では見えてない才能があったりして、誰かがそれを気づかせてくれたら素敵だな、って思いながら、五話はぴーぴー泣きながら観たのでした。
はい、こちら、一番歌がつくれない期の月詠です。
歌がつくれないとすぐ「夢でみたうた」「お相撲のうた」「植物のうた」というわたしの三本柱になりがちですね。
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春惜しむ 森田しなの
夢らしい暮らしばかりを夢にみる今朝は船上本屋を開く
海底をこのまま歩いて行くつもり歪んで聞こえる君の土佐弁
はじめての実りを予感させながら風に添うジューンベリーの小枝
夏に向かう流れはどうにも止められず短パンを履くまるだしのひざ
ふっさりと育った脛毛をカミソリで剃りあげてゆく五月の儀式
石鹸の泡の中から血がにじむ洗っても洗ってもあふれる血
相容れぬあなたはきっと来世では食う食われるの繋がりになる
天皇賞、と正午に起きれば土曜日で今年最後の桜茶をのむ
五着まで当たったことを忘れない三百九十円を手にして
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もっと精進したいです。