恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

未来2019年10月号の歌「松本サリン事件から25年」

今月は、実体験を詠みました。実体験も社会詠といえるのでしょうか?

 

それなのに、時間の経過のせいなのか、技術的な問題なのか、きもちが思い出すことを拒絶してるのか、じぶんごととしてはうまく詠めませんでした。反省。

 

よかったら読んでみてください。

 

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松本サリン事件から25年   森田しなの

 

朝刊の記事を読むときもうそんなにと声は出でたり四半世紀よ

 

あの朝の真上から降るヘリの音テレビをつければ音は重なる

 

足元がぐらつくような心地してふだんはサボる教室にいる

 

掲示板には教団の幹部らが開くセミナーのいつものチラシ

 

学生が死ぬということ四月にはとおく雪山見ゆるキャンパス

 

少しだけ離れていたから死んでない生き残るとはそれだけのこと

 

警官が二十四時間見張ってる誰を何から守ろうとして

 

卒業の朝に見たのは東京の地下鉄サリン事件の速報

 

おい、松本ナンバーだぞと警官がざわつく故郷の夜の検問

 

冤罪がうまれる様をなまで見たあの夏はまだ終わっていない

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