恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

未来2020年8月号のうた「恋と針」

今月も、こんな大変なさなかに未来8月号をつくって届けてくださること、ほんとうに感謝しています。

田舎暮らしで外にもほとんど出ないわたしにとって、月に一度やってくる未来は、全国の未来会員の歌がじゃんじゃんあふれてる本で、勉強が足りないわたしにはむずかしいところもあるけど知らない言葉や本をここでおぼえたり、ほんとうにすごく楽しみなのです。いつもありがとうございます!

 

今年はいっちょ、未来賞に挑戦してみようと、七月は二十首の連作をつくってみたのですが、ダメ過ぎて、これを出して選者の方々に読んでもらうのは失礼なのでは、、、と考え始めたら出せない気がしていたのだけれど、しめきり一週間前ぐらいで大改造劇的ビフォーアフターしました。推敲はたのしい。たのしいなー。ハハッ…。

 

自分のような未熟な者が、賞に出すなんて身の程知らずのおそロシア、、、とずっと考えてきたけど、夏韻集の先輩たちや歌友に背中を押してもらって、やっとこ出すことができました。

とっておきのお相撲切手を(まだまだ82円切手がモリモリ残ってるのに84円切手を…)おろしたので、あとはお相撲さんにがんばってもらいます(どのように?)。

 

わたしは自分で賞をとるより、まわりの仲良くしてくれてる人が賞をとったり歌集を出したりしてくれて、それをお祝いする空気に溶け込みたい側なので、この先、賞に応募することがあるのかどうか、無い気がしますけど、普段と違う追い込み方が出来た気がしていて、これを毎月できたらなあーと思いました。

 

そして、こちらが今月号の歌です。

かなり精神的に参っていた時なので、歌に詠むことでしかブチまけられなかった。誰にもすべてを打ち明けて相談できず、ほんとにつらかったし、良い歌を詠もうともできず、ただ言葉で吐き出したかったんだと思う。

8月号が届いて、改めて読んで、無理に仲良しこよしでなくてもいいけど、こういう気持ちのざわつく歌はもう詠みたくないね、とほんとうに思った。

 

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恋と針  森田しなの

嫌がらせメールでしょうかぐるぐるとあなたの真意に辿り着けない

むずかしいことを避けたい咲き終えたビオラの花がらちぎりつづける

いじわるに耐性はなくほろほろとばらのはなびら畳に散らす

裏切りは大好きだったの延長であなたの顔を思い出せない

みちならぬ恋しておりし年月よ春の日差しに透けてあらわる

ゆるされぬ恋しておれば毎日は恥ずかしいほど輝いていた

縫い針を刺してしまえりこんなにも柔いうつわに沈むたましい

絹さやの筋とる母と並び居て青いにおいをすんと吸い込む

湯あがりに風にあたればだいじょうぶわたしをみてる宵の明星

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