山奥の我が家にも、未来6月号を届けてもらえました。
こんな大変なのに、毎月きちんきちんと作って届けていただけること、ほんとうにありがとうございます。
今月号から、「未来」70周年記念特集が始まりました。いつもに増して、読むところ盛沢山です。
わたしはがんばって面白いことが書けないタイプなので、ざんねんですが、ほかのみなさんのを読んでるとわくわくしてしまいます。大好きな先輩のエッセイがまさに好きの極みだったので、はあ好き、と思って読みましたが、まだまだ来月号以降にも読みたい人がたくさん残っているので楽しみです。
今月号の歌は、歌数も十首作れなくて苦心して、あかんよなーって思いながら送った歌を選歌後記でほめていただいていたので、自分の歌について良い悪いとおもうポイントがおかしいのかな、と考え込んでしまいました。八首掲載でした。
全体に短歌脳が不調です。おだいじに~、って感じですね。
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梅をみて「んめ」と発音する母とすこし離れて立ってる窓辺
借景の梅はひるげの窓に咲く 砂糖おおめの厚焼きたまご
マルカワのフーセンガムのにおいだなシャンプーの泡に広がってゆく
花柄の柄ですといえば受話器からふっとゆるんだ気配が届く
恵という名前が急に書けなくてまぶたを閉じた奥に閃光
ラケットを左わき腹に携えるきもちは侍、まだ若輩の
三月の半袖に汗はしみてゆくサーブは軽く的をはずれて
殺人はいつもいけないことですか そういえば日が長くなったね
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今月から、嶋稟太郎さん(ニューアトランティス欄)と加納舞子さん(夏韻集)が戻ってこられて、うれしくて声でました。舞子さんとは、一回しか会ったことないんやけど、地元の授賞式の後でバスがなかなか来なくて、まだ人見知り学部を卒業してなかった頃のうまく話せないわたしと、一時間ちかく一緒にバス停で待っててくれたのが忘れられない、つまり、とっても素敵な人です。
今月号から
きみがゐる二度目の春はプラレールに知りたる電車の名前のあまた
いつからか家にひとつのつめ切りよ家族になりて四年が経ちぬ/加納舞子
やわらかくてとても好きな歌です。
後半の工房月旦のコーナーでは、本条恵さんに一首評していただきました。
わたしのような、地味で目立たない歌ばかり詠んでいて夏韻集の中では埋もれがちな者でも見ていてくださる方がいる!ということがわかり、有り難く励みになります。
ほんとうに、ありがとうございます!
三月号から
お変わりはありませんねが口癖の主治医と話すUFOのこと/森田しなの
わたしは、長年かけて大量の薬でよく調整されている患者なので、症状について特別訴えたりもしない。手がかからないので、お変わりありませんね、と言ってしまうと一分間で済んでしまいそうなので、この主治医は「そういえば翻訳の仕事はどうですか?」だの「短歌はどうですか?(←これ、めちゃくちゃテキトーなフリだよね)」だの話しかけてくる、そんな診察室のへんてこ会話集のひとつ、UFO、といったところでしょうか。