2018年おおみそかの朝です。
ここ数日、新年が来るのがとてもこわくて、何とか阻止できないかと考えていましたが、どうにもなりませんでした。
漠然とこわいのです、新年。こんな気持ちは初めてです。
今年のうちに、新年2019年1月号の「未來」を届けていただきました。
この一年、あまりがんばってなくて成長がなかった自分を顧みつつ、じっくり読んでいます。
短歌をいちから(短歌は五七五ではじまり七七でおわる、というところから)始めて、今ちょうど二年と半年ぐらいでしょうか。いつまでも、初心者を言い訳にしているのも美的ではないとおもうのですけど、やっぱりまだまだビギナーです。でも、誰かの評価を気にせずたのしんでやっていられるので、とても恵まれた環境にいるのかも知れません。
2019年1月号の歌。
新年の幕開けにぜんぜんふさわしくない一連でした。
月詠出すとき何月号に載るか考えようぜ、、、とおもいましたが、一切のきらきら感を廃した日常ブツ切り短歌なところは変えようもない今の自分の詠み方なのかな、と、この一年の歌を振り返ったり振り返らなかったり。
ガツガツ、ゴリゴリ、修行したい気持ちもあるけれど、自分には自分のペースがあるのだとあらためて知った一年だったので、2019年もひきつづき、おっとりゆるゆる短歌をしていると思います。
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未來 2019年1月号 森緑
壁沿いの際からたまってゆくほこり床の白さに濃淡はあり
パソコンの裏だけほこりを拭いたあとあぐらをかいて何にもしない
台風でふたつに折れた樫の木の断面を二階から見下ろして
月曜の朝の診察を待つ人はテレビの方を向いた静物
表情が穏やかだからいいでしょうと主治医はうんうんうなずきながら
採血の看護師さんが声を上げわたしの白い腕をうらやむ
静脈がみつからなくて年配の看護師さんが早足で来る
病院の待合にしか売ってないジャワティーをいつか欲しいだけ買う
物欲と書かんとするも俗物と書いてしまってそのままになる
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