恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

未来2018年12月号の歌「読む」

今月も未来届けていただきました。全国から集まった歌を毎月一冊にして発送までしていただく大変な手間を考えると、ほんとうにおそれ多く途方もなく有り難い気持ちになります。

 

そんな一冊に載せてもらえるのだから、もっとがんばって、いい歌が詠めたらいいのだけれど。はがゆいです。

 

今年を振り返ると生活がガタガタな状態で、短歌のことを夢中で追いかけるような気持ちのよゆうが全然無かったなぁ、と反省です。

 

それに、最近、ほかの人の短歌を読んで自分の短歌をふりかえると、自分は見たこと、あったことをそのまま書き出してるだけなんじゃないの?それって散文でよくない?と言う内なる声に苛まれてしまいます。

 

もうちょっと短歌のことをがっつり集中して勉強したいと思うのだけれど、すぐ次の月詠のしめきりが来て、月詠ギリ子はてんやわんやしながら十首送ってしまうのです。

二か月に十首のペースならもうちょっと凝縮された歌を送れるか、というとそれもわからないですけど。。。

 

今月号を提出したのは、夏の暑さとか停電とかで疲弊してた頃だから、今年いちばんグダグダだったかも。。。

 

 

未来2018年12月号 「読む」 森緑

 

おしまいになってもずっと外されぬ国際秘宝館の看板

アマゾンで買った本からスリップが抜かれておらず違和感はあり

著者謹呈の紙切れはらり白いままブックオフにてみつけた本より

停電の復旧を待つ蒸し暑い夜こそ役に立つ kindle

kindle の白い灯りで読むときの『高野聖』に吸い込まれゆく

朝までに復旧しそうにないだろう『青い花』全八巻を読む

泣きながら読み終えたころ朝になる雨戸に閉じ込められて暗くて

絡まった黒糸みたいに留まってさっきわたしが叩いた蜘蛛は

クリックの間合いのずれるマウスとは親しくなれないままで別れる