恋を語る歌人になれなくて

2016,5月 LINEで送信したメッセージを「それは短歌だよ」と教えてもらったことをきっかけに、短歌な世界に引き込まれて行く。おそーるおそーるな一歩一歩の記録。

未来2021年11月号のうた

先月から父が歩けなくなって、その分、買い出しだの通院だのなんだのとわたしが(かつてはヒキコモリ10段を冠したこのわたしが!)出かけることが多く、それだと仕事に集中できないのでずっと仕事を断っている。

わたしだっておかねは欲しい。でも仕事が入ると、眠ってる時も含めて完全に頭の中を仕事に関するこまごまとした判断のため明け渡さないと、わたしはうまくやり遂げられない。仕事はできるだけ完璧に可能な限り超速で仕上げたい。

そう思って仕事に向き合うと、寝る・食べる・風呂るの3つの「る」さえいつもままならなくなるので、親の送り迎えをしながらでは仕事ができない。そんなこと言ったら、きちんと家事や介護をしながら働いている人に叱られそうだけど、わたしは不完全な人間だから、これがいっぱいいっぱいなので、しゃーないです。(無理なのでひらきなおる!)

 

それでもおかねがないと困るので、最近は今の翻訳の仕事をもっとしっかりやっていこうという熱もふつふつと沸いてきてはいます。以前は急ぎの仕事から逃げたい気持ちばっかりでしたが、新規営業もしたりしてがんばろうかな、来年から、、、と思っています。

 

今月号の未来も月のはじめに届けていただきました。

いつも本当にありがとうございます。

今月号では「伏流水」のコーナーに、かつての愛に満ちた猫との生活についてのエッセイと自作短歌を掲載してもらっています。春先に、考え考え書きました。

本当は、相聞歌とジェンダーのことを書こうとしましたが、力不足でコンパクトにまとめることができず、何パターンか書いたうちの猫とのエッセイに決めました。

悩んだので先輩に相談したら「みんな、猫、好きでしょ(笑)」と軽やかに背中を押してもらったので、すこし照れくさい気持ちもありつつ自分の凄く身近な話にしました。

もしよろしければ、お読みください。

 

こちらは今月号の月詠です。未来賞に思いがけず出すことにして20首、休むことなく同人誌に15首作ってカラカラにかわいた状態で作った月詠10首から8首を載せてもらっています。

やー、こりゃ、ダメッチュなかんじでチュねー。

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つゆ草のあお恋せよと迫りくる後半戦の人生にいて

食卓の風上から来るスイカ臭わたしはカブトムシになれない

黒髪をほどけば背中に流れ落つその先端までみっちりわたし

回転性めまいは右巻き 踊りつつわたしのなかに飛び込んでくる

四時半を過ぎたあたりで本を置く冷えたからだは庭で伸ばそう

庭じゅうに井戸水をまくここちよさ田舎もいいか、なんて錯覚

過ちはどこからなのか この夏のラズベリーには花が咲かない

濡れた葉は青みをまして揺れているわたしのつくる虹のむこうに

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もっと精進します。

 

未来2021年10月号のうた

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今月も、無事、未来10月号を届けていただきました。

いつも、本当にありがとうございます!

 

今月号、大辻欄(夏韻集)の選歌後記のさいごに、師匠から背筋ののびるお言葉が。

もっとがんばります!

 

先月あたりから、わたしがしたいのは自分が好きと思う短歌だけを読みふけることであって、自分の下手なうたと向き合うのは楽しくないしなんか違う、、、とか思ってもやんもやんしてたのですが、歌を詠むこの場に居られるうちは詠み続けてみようと思います。今の目標は、短歌たのしい!っていつもわーきゃー言ってたのに居なくなった人、にならないことです。

 

最近は、歌集や結社誌や総合誌やあちこちで誰かの歌を読んだとき、ああ、こんな歌が好きなんだなあ、わたしもほんとはこういう風に詠みたいんだなあ、など考えることもあるけれど、一方で、こんな歌は好きになれない(心の中でページをビリビリィーーー)、とか、こういう風にはなりたくないぞ、とかイヤイヤしておむずかりになる自分にも気づくようになって、批判的な眼ができあがりつつあるのかな?んん??という状況です。

かといって、好きな歌のまねごとができるほど器用でもないので、相変わらずです。

 

今月号はこちらです。

よかったら読んでみてください。

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夏至すぎて   森田しなの

 

炒飯はすぐ消える魔法うしろからずっと鳴ってる踏み切りの音

咲く前のつぼみを愛すむらさきの薔薇一輪を夕闇に斬る

夏至すぎてウツボカズラの消化液夜の気配を映しつつ、待つ

闇に浮くカサブランカは顔ほどに開いておりぬ重きかおりの

近隣のどこも燕の巣があって燕のことばで叫び飛び交う

一日の忘れたいこと塗り込めるシッカロールのやわらかな白

体脂肪計のツンデレ乗るたびに違う数値を教えて寄越す

冷房に冷えた体で階段をのぼりゆくとき係る重力

ビタミンは体を通り抜けてゆくゆまりきれいなレモンイエロー

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未来の足元に写っているのは、この夏セリアで買ったちいかわで、職場のPC周りに居ます。PC周りは、どこでもいっしょグッズと、つぼ押し(暗い所で光るよ!)と、経費領収書の束と、あっちゃこっちゃの御守りなどがごっちゃごちゃです。

 

未来2021年9月号のうた

今月も、未来9月号、つくって届けていただきました。

ちょっと自宅内で行き違いがあり、届いてからわたしの手に渡って開封するまでに時間差がありましたが、無事、読めました。

ありがとうございます!

 

最近、伸び悩みを感じています。

 

実際、一首の歌としてできあがる数も少ないし、どの歌もてんでばらばらの方向を向いてるから連作としてまとまらないし、文体も迷走してるな、っておもう。

わたし、何がしたいのかな、ってわからなくなるぐらい戸惑っている、最近。

 

以前は毎月会って歌会ができていた大辻せんせいとも会えなくて、あのこまごまとした雑談のような会話の中から拾えていたものは大きかったんだな、って思ったり、距離を感じてしまって苦しくなってしまったり。毎月師匠に会えて話せてたのが、すごく贅沢なことだったのだけれどね。

 

今月号は、すこし恋のうたも混ざっています。

まあ、その、素敵だな~と思う人がいたのは事実なんだけれど、この連作だけだと相手の性別まではわかりませんよね。わたしの素性?を知っていたら、この歌を読んで相手が男性だと決定付けるものは何もないからいろんな想像をして読んでもらえると思うのですが。

 

そもそも女性であるわたしが恋のうたを詠んだからといって、相手が男性だと思うのは軽々に過ぎると思うのですよね。。。短歌をはじめた頃、最初にぶつかった壁というかガッカリがそこだったんだけどなあ。。。いや、もちろん、同性同士だとわかるような表現でつくればいいんだけれど。。。むーむー。。。というあたりを、『未来』のなかの「伏流水」というエッセイのコーナーで書こうとしたのだけれど(お話をいただき春頃シャカシャカ書いておりました…)どうしても考えがまとまらず、また短歌史的にはどうなんだろうというのをわたしが知らなさ過ぎて、まだ書ける時じゃないなと思い、頭の中を切り替えて、そちらのコーナーでは別のはなしを書きました(おたのしみに!というほどのものは書けていませんが気軽に読めるものですので、安心?してください??)

 

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未来2021年8月号のうた  森田しなの

ルドゥーテの薔薇を眺めている時のわたしはゆるゆるほどけてしまう

雨音をスマホアプリで聴いている止まないようにリピートさせて

真夜中に程よい闇が恋しくてPCだけを起動しておく

画面越しやわらかな笑みのあなたから眼をはなせずにわたしも笑う

うなじから延ばすケーブルあなたとはわたしのログを共有したい

分度器は使わないけど持っている最終兵器になるかも知れず

何回も頷いて頷いて読む『アガサ・クリスティー完全攻略』

呪いつつ呪われながら過ごす日々庭に蔓延るどくだみの白

新しい鍵がほしいとおもう朝アーモンドミルク噛みしめて飲む

憧れがあふれてあなたを好きになる冷やし中華がはじまる頃に

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ほんと、成長が止まってる気がして、焦りを感じてる。。。

賞レースも苦手だし、短歌で人と競うというのが肌にあわないけど、もっと強く踏みとどまってがんばらないと、大所帯のうえに精鋭揃いの夏韻集にいたらすぐ埋もれてしまうから、ほんとにキャーって怖くなる時があるの。。。

わたしのペースでゆっくり、と思っていても環境が許さない、というか。。。

すこし、疲れてるのかしら。

 

 

 

未来2021年8月号のうた「春惜しむ」

今月号も無事届けていただけました。

ありがとうございます。

毎月届くことは決して当たり前ではなくて、こんな状況下でも一冊の本として作ってくださっている方々のおかげなので、感謝で毎月泣いてしまいそうになります(いえ、ほんとはちょっと泣いてます)。

 

歌。

つくれません。

毎月しめきりの間際までギュウギュウ絞ってやっとぽとり、と落ちてきたものを出しています。欠詠したらわたしは短歌をやめてしまう気がしてなんとかもがいて欠詠しないように毎月送っています。

 

話はかわりますが、今、放送中の「かげきしょうじょ!」というアニメをみています。宝塚をモデルにしたような、紅華のスターをめざして入学してきた新入生たちの物語です。

この前の五話!入学から何のとりえもなさそうに見えた山田さんの話。

先生からは痩せなさいと言われ嘔吐することで減量しようとして体をこわしてしまう、成績最下位の山田さん。ここはわたしの居場所じゃなかったんだ、と夢をあきらめかけたのだけど、なんと、なんと、何にも特徴がなさそうに見えた山田さんは歌の才能があったのです!

自分ではみつけられなくても、まわりの人たちは山田さんの歌がすごいってこと、ちゃんとわかってたのですね。

紅華100期生のなかで地味で目立たない印象だった山田さん。わたしはそんな山田さんに、未来夏韻集でいまいちぱっとしない自分をひそかに重ねてみていたのです。

でも、山田さんにはちゃんと才能をみつけて夢の方角へ引っ張り上げてくれる人がいた。わたしも自分では見えてない才能があったりして、誰かがそれを気づかせてくれたら素敵だな、って思いながら、五話はぴーぴー泣きながら観たのでした。

 

はい、こちら、一番歌がつくれない期の月詠です。

歌がつくれないとすぐ「夢でみたうた」「お相撲のうた」「植物のうた」というわたしの三本柱になりがちですね。

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春惜しむ   森田しなの

夢らしい暮らしばかりを夢にみる今朝は船上本屋を開く

海底をこのまま歩いて行くつもり歪んで聞こえる君の土佐弁

はじめての実りを予感させながら風に添うジューンベリーの小枝

夏に向かう流れはどうにも止められず短パンを履くまるだしのひざ

ふっさりと育った脛毛をカミソリで剃りあげてゆく五月の儀式

石鹸の泡の中から血がにじむ洗っても洗ってもあふれる血

相容れぬあなたはきっと来世では食う食われるの繋がりになる

天皇賞、と正午に起きれば土曜日で今年最後の桜茶をのむ

五着まで当たったことを忘れない三百九十円を手にして

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もっと精進したいです。

未来2021年7月号の歌「春のゆめ」

やだー。2021年も下半期に入っちゃったわ~~…。おそろしいぃ~…。

 

今月も、「未来」をつくって、届けていただけました。

たくさんの人の手で作られている一冊、毎月たのしみに待っています。いつもありがとうございます。

 

先月号につづき、70周年記念号です。会員のみなさんの自選五首とミニエッセイがたのしめます。

今月号は7月号とは別に、先日おこなわれた岡井隆をしのぶ会の冊子も届けていただけました。

わたしが岡井さんに最接近したのは、数年前、名古屋栄の中日文化センターで(たぶんそこでは最後の)講演会があった時、うろちょろしてたら偶然同じエレベーターに乗り合わせたことです。緊張しながら、全身を耳にして、岡井さんのお話されてることを聞き取ろうとしてしまいました…。

 

今月号も絶賛!うたが作れない期のわたしがお送りする、必死の月詠です。良い歌を詠もうの前に、とにかく欠詠だけは避けたい(欠詠したらもう戻って来られないまま辞めてしまいそうだから)の一心ですね。ははっ。

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春のゆめ   森田しなの

ふかぶかとソファに眠れば草を食む夢の岸辺に春雷を聴く

目覚めたる世界は萌黄色をして次の夢へとふたたび沈む

春のゆめ底まで潜って目覚めれば踵まで夢に浸かったままで

眠りからうっすら浮かべば父母の病気かという声を聞く。沈む

無秩序なうつつをつなぎあわせつつ眠りの合間を側転でゆく

テーブルに突っ伏したままサザエさんみてもみなくても明日は月曜

両親と殺人犯を予想して再放送を何度でもみる

植えてすぐジューンベリーの花が咲く わたしのなかの扉がひらく

中華風甘酢のにおいがするたびに刑務所のごはん思い出してる

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わたしの歌の3割が夢の歌なんではないか、と思うけど、一日の大半を夜昼なくぐうぐう眠ってしまって消化してゆくので、それはそれでわたしを映しているのかも知れない。

 

工房月旦のページでは、二首引いていただきました。大勢の精鋭揃いの夏韻集では目立たないわたしの歌ですが、丁寧に読んで評してくださる先輩方がいてくださることで、ほんとうに救われる気持ちになり、まだまだがんばろう、と思います。

ありがとうございます!

 

白井健康さんには、

わたくしの傷口に咲く青い花あわせ鏡に裸身を晒す

 

本条恵さんには、

父母がなんでもない日に易々とまとめ買いするハーゲンダッツ

 

の歌をそれぞれ引いていただきました。

 

さて。

早くも次の月詠の心配をしているわたしには、未来賞に応募できるほど歌ができませんので、今年も身近な誰かの受賞を祈って、受賞されたらやんややんやとお祝いすることを楽しみに正月まで生きます。

その頃には、会ってお祝いがいえる状況になっていますように。。。

 

未来2021年6月号のうた

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山奥の我が家にも、未来6月号を届けてもらえました。

こんな大変なのに、毎月きちんきちんと作って届けていただけること、ほんとうにありがとうございます。

 

今月号から、「未来」70周年記念特集が始まりました。いつもに増して、読むところ盛沢山です。

わたしはがんばって面白いことが書けないタイプなので、ざんねんですが、ほかのみなさんのを読んでるとわくわくしてしまいます。大好きな先輩のエッセイがまさに好きの極みだったので、はあ好き、と思って読みましたが、まだまだ来月号以降にも読みたい人がたくさん残っているので楽しみです。

 

今月号の歌は、歌数も十首作れなくて苦心して、あかんよなーって思いながら送った歌を選歌後記でほめていただいていたので、自分の歌について良い悪いとおもうポイントがおかしいのかな、と考え込んでしまいました。八首掲載でした。

全体に短歌脳が不調です。おだいじに~、って感じですね。

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梅をみて「んめ」と発音する母とすこし離れて立ってる窓辺

借景の梅はひるげの窓に咲く 砂糖おおめの厚焼きたまご

マルカワのフーセンガムのにおいだなシャンプーの泡に広がってゆく

花柄の柄ですといえば受話器からふっとゆるんだ気配が届く

恵という名前が急に書けなくてまぶたを閉じた奥に閃光

ラケットを左わき腹に携えるきもちは侍、まだ若輩の

三月の半袖に汗はしみてゆくサーブは軽く的をはずれて

殺人はいつもいけないことですか そういえば日が長くなったね

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今月から、嶋稟太郎さん(ニューアトランティス欄)と加納舞子さん(夏韻集)が戻ってこられて、うれしくて声でました。舞子さんとは、一回しか会ったことないんやけど、地元の授賞式の後でバスがなかなか来なくて、まだ人見知り学部を卒業してなかった頃のうまく話せないわたしと、一時間ちかく一緒にバス停で待っててくれたのが忘れられない、つまり、とっても素敵な人です。

 

今月号から

きみがゐる二度目の春はプラレールに知りたる電車の名前のあまた

いつからか家にひとつのつめ切りよ家族になりて四年が経ちぬ/加納舞子

やわらかくてとても好きな歌です。

 

後半の工房月旦のコーナーでは、本条恵さんに一首評していただきました。

わたしのような、地味で目立たない歌ばかり詠んでいて夏韻集の中では埋もれがちな者でも見ていてくださる方がいる!ということがわかり、有り難く励みになります。

ほんとうに、ありがとうございます!

 

三月号から

お変わりはありませんねが口癖の主治医と話すUFOのこと/森田しなの

 

わたしは、長年かけて大量の薬でよく調整されている患者なので、症状について特別訴えたりもしない。手がかからないので、お変わりありませんね、と言ってしまうと一分間で済んでしまいそうなので、この主治医は「そういえば翻訳の仕事はどうですか?」だの「短歌はどうですか?(←これ、めちゃくちゃテキトーなフリだよね)」だの話しかけてくる、そんな診察室のへんてこ会話集のひとつ、UFO、といったところでしょうか。

 

 

 

黒潮ビルヂング、春のネプリは出来心???

いやーん、五月ぅ、、、

でもそんなの関係ねえ、はい!ネプリ!!

われら黒潮ビルヂング、地道にちゃ~んと活動つづけてますよぉ~~。

4/30~お近くのコンビニのプリンタから印刷可能なネットプリントを配信しています。

 

注:黒潮ビルヂングの成り立ちについてはこちらのブログが詳しいよっ。

黒潮ビルヂング、ネプリ始めました。 - 恋を語る歌人になれなくて

 

今回は、あれこれ出し合って決めた共通のテーマ、春と出来心で短歌7首とエッセイ、そしてちょろちょろっとしたアレなんかを寄せました。

 

あと、連休中なのにわざわざコンビニに行って印刷してきてくださった方には一人ずつありがとうを伝えたいけど叶わないから、プリンタのお釣りのところから飴ちゃんを一個お返しできるようにできないだろうか、など話し合いましたが、実現可能なところでコンビニバージョンにはちょこっとお礼を追加しました。

 

もちろん、PDFから読んでもらえるのもうれしいのです。紙だと失くすからPDFで保存する派の方もありがとうございますなのですー。

 

 

どうぞよろしくお願いします!

 

黒潮ビルヂング ネットプリントの出し方】

セブンイレブンでは

LXQY2RUG

白黒

2枚を1枚/両面→しない

小冊子→右とじ下とじ

 

ローソン、ファミリーマートでは

TTKHX2RTQT

白黒

小冊子→右とじ下とじ

印刷には80円かかります。

 

PDFはこちらからご覧ください。

黒潮ビルヂングzeRo 位置.pdf - Google ドライブ

未来2021年5月号のうた「殺戮の魔女」

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今月号の「未来」も無事、こんな山奥まで届けていただきました。
選歌をしてくださる大辻せんせい、編集に携わって作り上げてくださる先輩方、いつもありがとうございます!!
こんな状況下でも途絶えることなく「未来」を支え続けてくださっていること、ほんとうに感謝のおもいです。

今月号も内面を向き過ぎかなと思うぐらいに闇闇しい感じです。
わたしの短歌で一番多く使われてる漢字は「殺」じゃないか...?と思えてきた。。。

―――――――
殺戮の魔女  森田しなの

怒りから生まれる炎を持て余すわたしからこぼれ落ちてく火の粉

殺戮の魔女とわたしが呼んでいる荒ぶる者はわたしの一部

荒れ狂う殺戮の魔女は踊り出す荒れ地の果ての赤土の上

気づいたら殺戮の魔女がやっていた、未遂で済んだいくつかの件

殺戮の魔女をあやしてやるためにわたしがほおばるエクレア七つ

高齢者向きのゆっくりクラスにてテニスを習い始めたばかり

初心者のふりをしながら執拗にきわどいコースを狙って返す

浴びるように息継ぎせずに飲むVAAMぐしょ濡れのマスク半分ずらし

汗をかきふふっと笑いがこみあげて誰も殺めず死ねる気がする

―――――――

なんか、こんなんばっかりでスミマセン!って気分にもなるけど、はぁ、殺したい~~とか結構な頻度で言ってても見守ってくれてる周りの人たちに、ありがとうだよ!!



写真の猫は、20年前から大好きだった、どこでもいっしょのトロ。もうすぐスマホゲームが終了してしまうのでお話できなくなるの悲しい...。思わずグッズを集めてしまったよ。

未来2021年4月号の歌「青い花」

今月も「未来」を届けていただいて、ありがとうございます。四月号はポストに投函した日付のメモも月詠そのものの記録も残ってなくて、まさか欠詠しちゃってたのかな?と思ったのだけれど、ちゃんと載せてもらってあったので安心しました。。。乳酸菌も月詠もつづけることが大切、と自分には言い聞かせてるので。。。

 

月詠を出した三か月前を思い出してみると、黒潮ビルヂングネットプリントのことを考えたりテニスを始めたりでちょっとアワアワしてたのでもろもろの記録をとって残してなかったのかも。

月詠の記録としてもこのブログを続けているので、過去作はファイルを探すよりブログで見るほうが自分でも便利ですなあ。

 

そんなこんなで。

最近は自分のなかの激しい気持ちとか、歌に出てしまうようになったなあ。でも十つくる歌が全部そんなんやったら自分も読む人もキツイなあ、と思ったりしてるところです。

 

あと、顔をあわせたり声を聞いたりしてないネットで知り合った人からは性別がわからないと言われることがよくあって、歌のなかでも一人称が「俺」になること結構あるしなぁ、とおもうんですけど性自認は女ですよ(最近はミサンドリーをこじらせてる気配が…)。まあ、わざわざ性別を知らせておかなくても、とは思うけど、結社に入会した当初ぜんぜん知らない男性とおぼしき人からTwitterで「女歌はもううんざりだから男歌を期待します」って言われたんだよね、知らんけどw

 

こちら、未来4月号の歌です。

よかったらお読みください。

 

選歌後記で大辻せんせいから「前半力があってとてもいい」と今までにないストレートなお言葉でほめていただいたのがうれしいです。

前半は、黒潮ビルヂングに出そうと思って作ってたのを月詠に急遽回したのでした。

(…てゆうか、見るからに後半が数あわせですよね…。

あーいとぅいまてぇーん!)

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青い花  森田しなの

これだから男は、って顔してるかな声を殺して炎を呑んで

そうじゃない男もそりゃあいるでしょう 落下してゆく乾いた付箋

からだじゅう棘だらけのきみ ふかくふかく貫くまで抱きしめてあげるよ

わたくしの傷口に咲く青い花あわせ鏡に裸身を晒す

眼をつむり両手で覆うこの闇はだれにも侵されざる遠い海

兄嫁と兄が並んで一匹の鯛をつついている遅い昼

父母がなんでもない日に易々とまとめ買いするハーゲンダッツ

わたしだけ間違い探しの間違いでそれは見てすぐわかるレベルの

愛し抜く日々は甘やか死後六年経ても猫ほど人を愛せず

舌下にて急いで溶かす勢いでニトロここまで沁み込んで来い

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やっぱり歌の源は怒りかも知れないなぁ…。(個人の感想です)

 

 

 

未来2021年3月号のうた「夫婦箸」

今月は、未来が届くと同時に、元SKE48出口陽さんがクラウドファンディングで製作されたCDが返礼品として届き、森田しなのとして未来を受け取り、元ガチ恋ヲタむらさきとしてCDを受け取り、とにかくうれしかったです。

 

今月届いた未来3月号は、秋ごろ、短歌くるしい期につくってたものです。

本業についても考えるところがあって、うまく前に進めなかったり、先のことを思うと途方もなかったりして(たとえば親が死んだら葬式は兄に丸投げして国外に逃げたいな、とか、田舎のご近所付き合いはマジで大変だから矢面に立たされるぐらいなら親より先に死ねたらいいなー、とか)、とにかく、日常から拾い集めたり急に降ってきたりした短歌はどれも(悪い意味で)だめな感じで、「鶴は機織り機を前に羽をむしりながらなんとか十首つくり終えましたが血まみれで使い物になりませんでした…」というようなしろものです。

 

言葉を自在につかえるほど、もっと言葉を知りたいな。。。

 

そんなのでもよかったら、読んでいってください。

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夫婦箸   森田しなの

冬までにちゃんと脱皮を終えるからわたしをすっかり忘れてもいい

爪を塗るときの既視感ああこれはいつものクエチアピン錠の色

旅先に電話が鳴って身構えるまただ年金基金の勧誘

兄の部屋から爆音でヴァン・ヘイレン飛び起きていた朝おもいだす

カステラの紙まで食べた叔父さんは死んでも身内に語り継がれる

お変わりはありませんねが口癖の主治医と話すUFOのこと

母とふたり散歩に出ればご近所のおばさんにわたしだけ無視される

副賞の夫婦箸には触れられず届かない高い戸棚にしまう

ジェンダーだ、フェミニズムだの考えず生きていけたら楽しいですか

ーーーーー

わたしは短歌をはじめた2016年の春も今も、「短歌で競う」という考え方に馴染めないので、地元の賞など取ると身内が喜んでくれそうな賞には応募しますが、なかなか賞レースというものには気おくれしてしまいます。

月詠についても同じで、競い合うライバル、みたいな存在がいるのも悪くないと思うけど、わたしには馴染まない感覚なので、わたしはわたしに負けないように歌をつくり続けたいです。

 

明日はいよいよ、未来のオンライン作品批評会です!

参加者はマイクはミュートで、カメラもオフでいいらしいので、歌会と同様にお菓子と飲み物をたくさん並べて参加するのもアリかも知れない…!いつもとは違う選者さんの評が聞けるのが楽しみです。

 

未来2021年2月号の歌「黒髪を飼う」

節分...いや、ツインテールの日ですね!!!
ツインテールは問答無用に大好物ですが(セーラームーンとか藤堂ユリカ様とか)、ポニテも好き。

今月も未来を届けていただきました。
こんなに大変な時でも欠かさず作り届けてもらえること、本当にありがたく、大切に読んでいます。

今月号は、未来年間賞の発表があり、われらが掛水ヱイさんの名前があがっていて、お、おおお!!!とうれしくてはしゃいでしまいました。
ヱイさんと黒潮ビルヂングができてほんとにうれしい。ヱイさんにはこれから色んな人から声がかかるだろうけど、最初に誘ったのはわたしなんだからねー、へへっ、とちょっと得意におもうのでした。

あと、アンソロジーのページは、夏韻集の若手ホープ下谷育正さんが担当しています!
アンソロジーのページは、未来短歌会のサイトでこちらの最新号からリンクされていて読めますので、ぜひ!
http://www.miraitankakai.com/newestedition.html


今月号のうたはこんな感じです。
―――――
黒髪を飼う  森田しなの

若旦那めあてで覗く駅前の商店街のはんこのあおき

恋なんて危ういものに手は出せぬこころが少し揺れるのがいい

生き物を飼えなくなって伸びすぎた黒髪を飼いながら暮らそう

髪を飼い鏡をみること多くなるぜんぜん笑わない白いかお

美容師になつかなかった 帰りみち仕上げた髪は風にほどけて

満月の森をはずんであゆむよう気ままに古語辞典をめくれば

鉢植えのミントに水を与えないどこまでいけるか自分を試す

勧誘の人が人生百年というから長過ぎると訴える

神様に頼まなくても叶うなら最初から目指したりはしないさ
―――――

選歌後記では「とぼけた口調で陰翳を掬う」と評していただきました。
かなり前から短歌の自分がかっこつけをやめて、最近はだんだんリアルの自分に近づいてきてる気がしています。

黒潮ビルヂング、ネプリ始めました。

はい!そうなんです!

ずっと水面下であれこれ考えていた件、短歌ユニットでネプリを出してみよう!ということで、黒潮ビルヂング、オープンしました。

 

かなーり前(もはや何年前?)、平和園に行った時、ちゃありぃさんに「短歌ホリックみたいな、すぐに途絶えてしまわない息のながい同人誌をしてみたい」「てゆうか、誘われてみたい、でもわたしみたいな地味で実力もないしわけわからん子はお呼びがかからない…」とか言ったら、「一緒にやりたいメンバーそろえてネプリからでもやっちゃえばいいじゃないですか」って笑顔で言ってくれた。

 

そうだよね、誰も誘ってくれなくてもわたしが誘いに行けばいいんだよね、と思い直し、おなじ未来夏韻集の掛水ヱイさんに一緒に何かやってみたいよね~と持ち掛け、二人して何かやってみたいよね~と言い続けてたぶん半年以上、わたしが元来締め切りが無いとのらりくらりしちゃうタチで一向に動かなかったところへヱイさんが「名前だけでも決めよう!」と絶妙な押し加減で背中を押してくれたので、ユニット名と一緒にやっていきたいメンバーまで決めて声をかけた。わたしが出す名前のアイデアはどれも微妙すぎたのだが(黒潮姉妹とか色々とアレ…)、ヱイさんがうまいことまるくおさめてくれたのはほんとに助かった…。あと、枝豆みどりさん、ひぞのゆうこさん、ふたりとも断らないですすんで参加してくれて、ほんとにほんとにありがとうだよ…。

 

そこからは早かった気がする。年末年始の間もLINEでわちゃわちゃ相談をしながら、出来上がったお互いの作品にも感想を伝え合ったり、気が変わって修正したり、誤字脱字や表記の揺れをお互いにチェックしあったり、そのたびに原稿をまとめてくれるヱイさんに「ごめーん」とか言いながら更新してもらって。

わたしなど、意味が一読わかる方か、響きが良い方か最後のほうまで独りで迷ってた歌を一首、みんなに2パターン見てもらってやはり歌は響きが大事だな、ということで差し替えてもらったり。ほんと、ヱイさんのおかげ!そしてみんなとやり取りしてたから、居心地悪い実家の年末年始も楽しく過ごせたよ。ありがとう!!

 

ネットプリントについて、そもそも入会金とか年会費とか要るのかな?というぐらい知らなかったので、ネプリのアップもヱイさんにすっかりお願いした。今日ネプリを実際に出してみる時もおっかなびっくりでやってるわたしなど、ほんとにもう独りでは何もできなかったはず。

 

そして、おそるおそるお知らせツイートをしたら、びっくりするぐらいのいいねやリツイートをしてもらって、ほんとにもう、びっくりしてしまいました。

本当にありがとうございます!!

年齢的にはだいたい同年代、でも生活環境はさまざまで、それぞれの楽しいやうれしい、かなしいを持ってるわたしたち四人、短歌ユニットとしてずっと続けていけたらと思っています。

ちなみにですが、掛水ヱイさんとひぞのゆうこさんとわたし、未来短歌会の大辻欄(夏韻集)でいっしょなんですけど、歌のかんじはぜんぜん違いますでしょ、そこが未来の懐の深さだなあ、なんてあらためて思いました。

 

今までも楽しかったけど、仲間がいて一緒に作り上げるものがあるって、短歌がめちゃめちゃ楽しくなる。これを知ってしまったので、ますます短歌沼、タンカツ!にはまりそうー。

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<ネプリご案内>

セブンイレブン ~2/7まで

DG9QMKKY

白黒(ぜったい!白黒をえらんでね)

冊子:右とじ

 

ローソン/ファミマ ~2/8まで

FYWJR4F46E

白黒(ぜったい!白黒で!)

80円となっております。

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PDFはこちらからご覧いただけます。

黒潮ビルヂングzeRo.pdf - Google ドライブ